紅葉の公園をお散歩していて椿(ツバキ)の展示会を見つけました。
「秋に椿(ツバキ)は早すぎない?」
不思議に思ったので展示会をのぞいてみることに。
愛好家の皆さんに大歓迎されました!
いろいろとお話を伺うことに。
初めて知るお話ばかりで大変興味深かったです。
愛好家のみなさま、ありがとうございました!
この記事では、椿(ツバキ)の名前の由来と特徴、あわせて秋咲きの西洋椿の魅力について、お花初心者さんにもわかりやすくご紹介致します。
◆椿(ツバキ)の名前の由来と秋咲きツバキ◆
- 椿(ツバキ)の名前と漢字の由来
- 椿(ツバキ)の葉と種の特徴
- 西洋ツバキの魅力
椿(ツバキ)の漢字と名前の由来
ツバキ科 / ツバキ属
ツバキ 常緑高木 日本原産
椿(ツバキ)は日本原産の樹木です。
本州以南に自生しています。
椿(ツバキ)の漢字は木へんに春と書きますね。
この漢字が示しているように早春を告げる花とされています。
原種の椿(ツバキ)は花びら5枚の一重咲き。
花の大きさは直径5~7センチ。
雄しべが筒状なのが特徴です。
花びらが散らずに落下するのは有名ですよね。
撮影者:スミレ
落下した椿(ツバキ)の花
万葉集には椿(ツバキ)を詠ったものが9首あり、そのうち4首に「椿」の漢字が使われています。
開花時期は12~4月頃、冬咲きのお花です。
ここで質問です!
椿(ツバキ)の由来を知っていますか?
椿(ツバキ)の名前の由来には諸説あります。
愛好家の方に教えていただいた3つの説をご紹介しましょう。
- 厚みのある葉だから厚葉木(アツバキ)⇒ツバキ
- 艶がある葉だから艶葉木(ツヤキ)⇒ツバキ
- 韓国ではツンバクと呼んでいたツンバク⇒ツバキ
八重のバラの様に華やかで、山茶花とも見分けがつきにくい西洋ツバキ。
椿(ツバキ)が椿(ツバキ)らしいところとは、葉っぱに特徴があることです。
撮影者:スミレ
寒椿の蕾
真冬の公園で濃い緑色の葉が目立っていました。
椿(ツバキ)|国字を作った日本人の心
木へんに春と書く「ツバキ」とは日本で作られた漢字です。
(国字と言います。)
中国で「椿」と書いても通じませんのでご注意を。
中国の古い書物「荘子」には「ツバキ」についての記述があります。
これは日本でいう「山茶花(サザンカ)」を指します。
当時の日本の知識人は有名な書物「荘子」を知っていたはずです。
それなのにあえて。
ツバキに木へんに春の「椿」を漢字を作ったのです。
日本人の椿(ツバキ)という植物への熱い想いやこだわりが感じられますね。
逆に日本の「山茶花(サザンカ)」は
中国では「茶梅花」です。
中国のツバキは日本の「山茶花」のこと。
中国でサザンカは「茶梅花」と書く。
どちらもツバキ科/ツバキ属ですね。
ややこし~い!
椿(ツバキ)と山茶花(サザンカ)の違いは、これを知っていれば大丈夫です。
>関連記事 山茶花(さざんか)と椿(ツバキ)|香りの違いと簡単な見分け方
椿(ツバキ)の葉と種の使い道
厚みのある椿(ツバキ)の葉
撮影者:スミレ
濃い緑の艶やかな葉に特徴がある椿(ツバキ)という植物。
椿は常緑樹で「栄木(さかき)」と呼ばれ、神聖な木として大切にされてきました。
椿(ツバキ)の丈夫で固い材質は建築の材料に利用されています。
また、種から油を採ったものは、ツバキ油として整髪料などに使われていますね。
それでは、椿(ツバキ)の種はどうやってできるか知っていますか?
上の写真のように先が3つに分かれている椿の葉があります。
これが自然に裂けていくのです。
なんと、椿(ツバキ)の厚みのある葉っぱから種が出てくるそう。
外側の固い殻部分は自然に開いていきます。
愛好家の皆さんに種を見せていただきました。
椿(ツバキ)の殻が割れて種が出たところ
撮影者:スミレ
採れた種がコチラ。
椿の(ツバキ)の種を集めたもの
撮影者:スミレ
この種を絞ると椿(ツバキ)油が採れるのですね。
秋咲き椿(ツバキ)|西洋帰りの華やか美女
秋咲きの椿(ツバキ)は品種改良されたものです。
椿(ツバキ)は品種改良しやすいお花なのです。
なんとその数約6000種以上!
西洋に渡って品種改良され、日本に里帰りしたものを西洋ツバキと呼んでいます。
この椿(ツバキ)の華やかさはどうでしょう?
すっかり西洋風のお顔になっていますね。
【弓場しぼり】
絞りの様な模様の椿(ツバキ)もありました。
【雪月花】
品種名も綺麗ですね。
この華やかさはバラのよう。
もともと、日本の椿(ツバキ)は、花の少ない冬場のお茶席で重宝されてきたことから、
「茶席の女王」という別名を持っています。
西洋のリビングには「侘助」などの品種に代表される、一重咲きは寂しすぎるんですね。
秋咲きの西洋ツバキは八重咲きが主流です。
西洋ツバキの1品種:デイドリーム
花瓶にドーンと大輪の花束を飾るイメージで品種改良。
侘び寂びの世界の日本の椿(ツバキ)は、すっかり西洋の女王に変貌を遂げたのでした。
日本原産の椿(ツバキ)の花言葉は?
「謙遜」「女性らしさ」「控え目なやさしさ」
全然違う印象のあでやかな西洋ツバキですね。
同じく日本原産の紫陽花と
西洋アジサイのお話を思い出しました。
日本に自生していたアジサイが、西洋に渡って品種改良されたお話もありました。
(植物園で原種アジサイと西洋アジサイゾーンが分けられるぐらいの多品種。)
紫陽花の種類についてはコチラに詳しく書いています。
>関連記事 紫陽花の種類は3種類?自生場所で見分ける方法
椿(ツバキ)の名前の由来と西洋ツバキのまとめ
椿(ツバキ)の特徴も名前の由来も、艶ややかな葉っぱにあります。
お花は一重が原種の、つつましやかな和の花ツバキ。
随分華やかになって西洋から里帰りしたのです。
この記事では、椿(ツバキ)の名前の由来と特徴、あわせて秋咲きの西洋椿の魅力について、お花初心者さんにもわかりやすくご紹介致しました。
★ 椿(ツバキ) 12月27日 1月2日 2月4日 誕生花 | |
科名/属名 | ツバキ科 / ツバキ属 |
原産 | 日本 |
学名 | Camellia japonica |
英名 | Camellia |
別名 | ヤブツバキ・カンツバキ |
花言葉 | 「謙遜」「女性らしさ」「控え目なやさしさ」 |
開花時期 | 11~4月 |
花色 | 赤・白・ピンク |
特徴 | ・つややかな葉 ・5枚の花弁の一重咲き(原種) ・八重咲き(西洋ツバキ) |
秋咲きの西洋ツバキ展を拝見し、椿(ツバキ)の品種の豊かさに驚きました。
秋咲きツバキの次は早咲きツバキ。
次のツバキ展にも誘っていただきました。
冬の公園や街さんぽで見られるお花についてコチラでご紹介しています。
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* 山茶花(さざんか)と椿(ツバキ)(ツバキ)の花の香りの違いと簡単な見分け方
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