夏の終わり頃に1本だけ咲いているピンクのお花を見つけました。
夏の暑さにしおれてかわいそう。
草丈は20センチ位かな。
ピンクの花に細い葉っぱは夏水仙のよう。
夏水仙よりは全体的に小柄です。
こちらは正真正銘の夏水仙。
ヒガンバナ科 / ヒガンバナ属
ナツズイセン(夏水仙)
草丈は50~1m位
やっぱり違いますよね。
地面から近いところで咲いているのです。
お花の大きさでいうとクロッカスぐらい。
秋に咲くクロッカスの1品種のサフランかな?
アヤメ科/クロッカス属
サフラン
草丈は15~20㎝位
お花の大きさと形は似ている。
ピンクの可愛いお花。
けれどもサフランは紫1色のはずです。
ここでギブアップ!
惜しいところまできていたよ。
このお花の名前の正体はサフランモドキ(和名)でした。
サフランとは何の関係もない植物なのに名前はサフランモドキ。
どうしてこんな名前になったのでしょうか?
この記事では、サフランモドキとサフランの違いをお花初心者さんにもわかりやすく
あわせてサフランモドキの綺麗な別名もご紹介しますね。
◆サフランモドキとサフラン◆
- 色で見分ける:サフランは紫・サフランモドキはピンク
- 属が違う:サフランはクロッカス属・サフランモドキはヒバンバナ属
- 開花時期:サフランは秋・サフランモドキは5~10月と開花が長い
- サフランモドキの別名:レインリリー
サフランに似たピンクの花|サフランモドキ
アヤメ科/クロッカス属
サフラン
サフランはクロッカスの仲間で秋に咲く品種です。
あのパエリヤ、サフランライスのオレンジ色のもと。
香辛料サフランはサフランのお花の雌しべから取れるのですね。
>関連記事 クロッカスとサフランの違いを簡単に見分ける方法
撮影者:スミレ
ヒガンバナ科/タマスダレ属
サフランモドキ
サフランモドキの草丈はサフランとほぼ同じ。
約15~20㎝位ですね。
サフランモドキは草丈が低いため、
花壇の縁取りによく使われています。
花だけ見るとは小さなユリに似ているみたい。
細い葉っぱの草花です。
サフランモドキはヒガンバナ科。
よく見れば
サフランより彼岸花の花の開き方ですね。
サフランモドキは江戸時代に日本に持ち込まれました。
園芸植物として栽培されてきたものです。
帰化植物で自生しているものもあります。
● サフランモドキ:ヒガンバナ科/タマスダレ属
● サフラン:アヤメ科/クロッカス属
サフランモドキの開花時期は6~10月と長いです。
私の見たサフランモドキは、夏の終わりにぽつんとひとつだけ咲いていました。
秋に咲くサフランと開花時期が重なってちょっと迷いましたが
サフランモドキは色がピンクなので、紫1色のサフランと違うことがわかります。
全然違う種類なのに
モドキなんて名前を付けられて可哀そうです。
- サフランモドキはサフランとは無関係
- 園芸種のゼフィランサスの仲間
- ゼフィランサスは白、ピンク、黄色など
花色も品種も増えている人気の園芸種 - ピンク色をした品種がサフランモドキ
サフランモドキ|命名の理由と美しい別名
撮影者:スミレ
ヒガンバナ科/タマスダレ属
サフランモドキ
ゼフィランサスの1品種であるサフランモドキ。
どうして「サフランモドキ」と呼ばれるようになったのでしょうか?
サフランモドキは江戸時代に日本に入って来ました。
当時は「サフラン」と呼ばれていたのね。
明治時代にサフランとは別の種だとわかりました。
そこで「サフランモドキ」に変わった経緯があります。
改名したんですね!
モドキなんて偽物みたいですよね。
もう少し素敵な名前はなかったのでしょうか?
学名:ゼフィランサス
和名:サフランモドキ
英名:Rain Lily(レインリリー)
園芸品種のひとつ「カリナタ」名でも流通しています
綺麗な名前もあって良かった!
ゼフィランサスの白い花|タマスダレ
撮影者:スミレ
ヒガンバナ科/タマスダレ属
タマスダレ
ヒガンバナ科/タマスダレ属のピンクのゼフィランサスの和名はサフランモドキ。
同じタマスダレ属の白い花はタマスダレと呼ばれています。
日本に古くからある品種なのでお馴染みではないでしょうか。
丈夫で耐寒性・耐暑性があります。
花壇や玄関脇などによく植えられています。
街さんぽの時に探してみてくださいね。
<要注意情報!>
日本に昔からあるタマスダレ。
有毒植物であることをご存知ですか?
ヒガンバナ科の花でアルカロイドのリコリンが全草にあるのです。
ゼフィランサスにもあるよ。
葉がニラに似ていています。
お馴染みの植物なので間違えないと思いたいのですが
タマスダレの球根をノビルと間違えて、食中毒を起こした例も報告されています。
タマスダレにはニラやノビルのような匂いはありません。
見分けてくださいね。
サフランモドキとサフランの違いと別名のまとめ
撮影者:スミレ
ヒガンバナ科/タマスダレ属
サフランモドキ
サフランモドキという位だから、サフランとよく似ているかといえばそうでもありません。
明確な違いは色です。
サフランは紫、サフランモドキはピンクなので一度知ったら間違えません。
共通点は細い葉・小柄・地面近くで咲く・
球根であることぐらいよ。
◆サフランモドキとサフラン◆
- 色で見分ける:サフランは紫・サフランモドキはピンク
- 属が違う:サフランはクロッカス属・サフランモドキはヒバンバナ属
- 開花時期:サフランは秋・サフランモドキは5~10月と開花が長い
- サフランモドキの別名:レインリリー
この記事では、サフランとサフランモドキの違いについて、お花初心者さんにもわかりやすくお伝えしました。
サフランモドキの綺麗な別名
レイン・リリーも覚えてね♪
★ サフランとサフランモドキの簡単な見分け方 | ||
花名 |
サフラン (誕生花:11/14) |
サフランモドキ (誕生花:9/8,13,20) |
科名/属名 | アヤメ科/クロッカス属 | ヒガンバナ科/タマスダレ属 |
原産 | 地中海沿岸 | 中南米・西インド |
学名 | Crocus sativus | Zephyranthes (ゼフィランサス) |
英名 | saffran | rain lily |
別名 | 薬用サフラン(薬用クロッカス) 秋咲きサフラン(秋咲きクロッカス) 番紅花 |
レインリリー(英名) カリナタ(品種名) |
花言葉 | 「喜び」「歓喜」「陽気」 「節度の美」「濫用するな」 |
「汚れなき愛」「期待」 |
開花時期 | 10~12月 | 5~10月 |
花色 | 紫 | ピンク |
特徴 | ・ハーブ(サフラン) ・細長い赤の雌しべ |
・多年草(草花) ・5㎝位の小花 ・白の品種はタマスダレ |
クロッカスとサフランの違いもよく迷うところです。
サフランライスの原料になるのはサフランだけ?
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