ススキ(薄)に似ていてとても背丈が高い植物を見つけました。
ススキにそっくり。
でも穂先のボリューム感が全然違うのです。
穂先がふわふわの植物はパンパスグラスである可能性が高いです。
撮影者:スミレ
秋の日に見つけたパンパスグラス
秋の七草のひとつ「尾花」(オバナ)は「ススキ」(薄)の別名です。
別名が「尾花」(オバナ)なの理由はススキの穂先が尻尾のようだから。
その穂先がさらに大きいのがパンパスグラスなんですね。
パンパスグラスは洋風ススキの風情
和のススキ(薄)と洋のパンパスグラス。
この記事では、ススキ(薄)とパンパスグラスの違いを、お花初心者さんにもわかりやすく解説いたします。
◆ススキ(薄)とパンパスグラスとの違い◆
- ススキ(薄)の名前の由来と別名:すくすく育つ、秋の七草の「尾花」
- ススキの花と花言葉:「生命力」「活力」「勢力」
- ススキは実用植物:放牧地や茅の材料
- パンパスグラスは南米出身の西洋ススキ
秋の七草のススキ(薄)|名前の由来はすくすく育つ
秋の七草にもなっているススキ(薄)とは、どんな植物なのか見ていきましょう。
薄(ススキ)
イネ科/ススキ属 多年草
ススキは日本では原っぱ・空き地・河川敷などでよく見られます。
「鏡花水月★花つむぎ」管理人の毎日のお散歩コースにもありますね。
薄(ススキ)の名前の由来には諸説あります。
有力説は「すくすく育つ木」から来ているとういうもの。
ススキは暑さ寒さに強く、どんどん大きく育つ丈夫な植物です。
名前そのままで可愛い♪
そして、もうひとつの説。
ススキの「ス」とは細いものを表す音でそれを重ねて強調。
「キ」とは「生」を表し、細い葉っぱが生えている様子を表した名前というもの。
こちらも納得感のある説明ですね。
● すくすく育つ木
● 細い葉っぱがいっぱい生えている様子を表したもの
ススキの別漢字
ススキの漢字は一般的には「薄」と表記されます。
その他に「芒」の字が使われれることもあります。
「芒」の字の元の読み方は「ノギ」。
ススキの穂先にあるトゲの様な部分を言います。
ススキにはノギがあるのですね。
そこで「芒」の字を当てて「ススキ」とも読ませたのでしょう。
芒の字はススキの姿です
また、ススキは日本の秋には欠かせない植物です。
たとえば中秋の名月のお供え物。
9月の十五夜のお月見にはお団子と一緒にススキを飾ります。
ススキは9月15日の誕生花です
秋の七草の「尾花」(オバナ)とはススキのことなのです。
尾花とはススキを動物の尾っぽに見立てたものですね。
ススキの別名には尾花(オバナ)の他
茅(カヤ)もあるよ
>関連記事 秋の七草の名前の覚え方と選ばれた理由
薄(ススキ)にも花がある|ススキの花言葉
穂先にばかり目が行くススキにも花はあります。
ススキの花の様子
ススキの花の開花時期は8~9月。
ススキの花はイネ科の植物らしくとっても小さいんです。
穂の根本のあたりにポチポチと付きます。
ススキの花の色は白。
花が咲くと穂が広がっていきます。
穂先がぼわーっとしていたら花がついているかも
近くに寄って観察してみてくださいね。
ススキの花言葉は「生命力」「活力」「勢力」。
ススキは荒れ地をものともせず勢力をグングン伸ばしていきます。
丈夫で暑さ寒さに強い、ススキの特性を表す花言葉ですね。
<ススキを観察する時の注意点>
撮影者:スミレ
手の届きやすいところにあるススキ
子どもの頃、ススキで手を切ったことはありませんか?
わたしはよくありました
ススキを触ったまま手を動かさないでね
ススキは葉っぱの縁が鋭くギザギザになっています。
葉っぱだけではなく茎を切った断面も鋭くなっています。
気をつけてくださいね。
ススキは日本の原風景
ススキは秋の風物詩と思い込んでいませんか?
実はススキという植物、昔から日本の生活の中に深く関わっていました。
ススキが主に生息している野原、草原。
草原が日本の国土の10%も占めていた時代があるのです。
かつて草原のススキは人が管理していました。
- 放牧地として
- 牛馬の餌の採取地として
- 茅葺き屋根のためのカヤ場として
草原は開発され、放置され、現在に至るという経過をたどります。
今ではススキの草原は国土のわずか1%までに現象してしまったとか。
昔はどこでも見かける風景だったのに…
茅葺(かやぶき)の屋根
かやぶき屋根の家は、風通し良く保温性があるのが特徴です。
日本の風土に合う住まいの形でした。
かやぶき屋根のカヤはイネ科の植物。
その多くにススキが使われてたのです。
ススキは水に濡れると表面が水をはじく性質を持っています。
先人たちの知恵はスゴイ!
ススキを刈り、干し、屋根に仕上げるのは大変な労力が必要です。
「茅場(かやば)」でカヤをふく(かやぶき屋根にする)時代がありました。
カヤをふくのは村民総出の作業だったのですね。
村の人口が減った現在、かやぶき屋根のお家は希少価値となっています。
かやぶきの屋根を見に行きたいですか?
● 伊勢神宮の屋根(技術伝承のため二十年に一度遷宮)
● 白川郷の合掌造りの屋根(世界遺産)
パンパスグラスはイネ科の外来種
パンパスグラス
イネ科 / シロガネヨシ属 多年草
ススキもパンパスグラスもイネ科の植物ということは同じです。
ススキがノスタルジーを誘う日本の里山風景だとしたら、
パンパスグラスのふるさとは南米の大平原です。
名前の由来は、南米の大平原(パンパス)の草(グラス)のパンパスグラス。
ススキよりも縦横共に大きいので「おばけススキ」という異名も。
特徴はほうきの様なもふもふ感
和名では属名からきた白銀葦「シロガネヨシ」と呼ばれています。
銀白色のもふもふが綺麗ですから。
パンパスグラスの花言葉は「雄大な愛」。
パンパスグラスはススキよりもボリューム大。
いったん広がると除去するのは不可能なぐらいに育ちます。
生命力にあふれているのは
和のススキと同じですね。
パンパスグラスを育てたいなら
小型品種の鉢植えが安全だよ
また、夏の終わりから秋の始めにはパンパスグラスの切り花も出てきます。
切り花を購入して生け花的にアレンジしたり、ドライフラワーでリースにしたり。
最近では、アレンジ用に最初からカラフルに染色したものも出ています。
パンパスグラスのひと味違う楽しみ方ですね
>関連記事 パンパスグラスの切り花で簡単シックな秋のインテリア
日本のススキと南米のパンパスグラスの違いまとめ
パンパスグラスを見て「大きなススキだ!」
と思ったことがあったあなたも、もう大丈夫。
はい、それは私です
ススキとパンパスグラスは、大きさも形状も全く違います。
南米出身のパンパスグラスと覚えたらもう迷いません。
◆ススキ(薄)とパンパスグラスの違い◆
- ススキ(薄)の名前の由来と別名:すくすく育つ、秋の七草の「尾花」
- ススキの花と花言葉:「生命力」「活力」「勢力」
- ススキは実用植物:放牧地や茅の材料
- パンパスグラスは西洋ススキ
この記事では、秋の七草のススキとパンパスグラスの違いを、お花初心者さんにもわかりやすくお伝えいたしました。
★ 日本のススキと南米のパンパスグラスの違い | ||
花名 |
ススキ(薄) (誕生花:9月15日) |
パンパスグラス (誕生花:9月6日・11月25日) |
科名/属名 | イネ科/ススキ属 | イネ科 / シロガネヨシ属 |
原産 | 日本 | 南米アメリカ |
学名 | Miscanthus sinensis | Cortaderia selloana |
英名 | silver grass | pampas grass |
別名 | 茅(カヤ) 尾花(オバナ) 別漢字 芒(ススキ) |
白銀葦(シロガネヨシ) 西洋ススキ おばけススキ |
花言葉 | 「生命力」「活力」「勢力」 | 「雄大な愛」 |
開花時期 | 9~10月 | |
花色 | 白 | 白・ピンク |
特徴 | 多年草(草花) 背丈1~2m位 暑さに強い 寒さに強い |
多年草(草花) 背丈1~3m位 暑さに強い 寒さには弱い |
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