秋のお彼岸頃になると咲く彼岸花。
ちゃーんとその時期が来たら咲くのですから、植物の体内時計は凄いですよね。
この彼岸花、日本では少々敬遠されていた花でした。
その理由は大きくふたつあります。
1.墓地の周りに咲いている花だから
2.毒があるから
海外では彼岸花にお墓のイメージはありません。
艶やかな姿が人気の花です。
近頃では海外から入ってきた園芸種ネリネの影響もあり、
彼岸花も明るいイメージに変わってきたように想います。
旅行社のパンフレットには彼岸花メインのツアーもありますね。
お庭に彼岸花を植えて育てることも、珍しいものではなくなってきました。
彼岸花の名誉回復?
嬉しい傾向ですね。
この記事では、彼岸花の怖くない花言葉と、彼岸花の別名にまつわる不思議な伝説をご紹介します。
◆彼岸花の別名の由来・色別花言葉◆
- 彼岸花の別名の代表格:「曼殊沙華」
狐の伝説由来の別名:「狐のたいまつ」「狐の嫁御」「狐花」
子どもの遊びからの別名:「数珠玉」
生態からの別名:「相思花」「葉見ず花見ず」「しびれ花」 - 花言葉全般:「情熱」「再会」
赤:「情熱」「あきらめ」
白:「想うはあなたひとり」
黄:「深い思いやり」
彼岸花(ヒガンバナ)の怖くない別名8つ
彼岸花の別名(異名)はざっと千以上もあります。
冒頭でお話したように、彼岸花は日本では敬遠されていたお花でした。
日本の彼岸花の別名のほとんどは怖いものばかりです。
海外人気の影響で、日本でもようやく人気が出てきた彼岸花。
この記事では、彼岸花の怖くない別名に注目してご紹介しますね!
怖くない別名の方が
有名になってほしいなぁ。
海外の彼岸花の別名は良いイメージばかり
ヒガンバナ科/ヒバンバナ属 多年草
ヒガンバナ
撮影者:スミレ
外国で彼岸花は怖くないお花です。
彼岸花の怖くない別名の代表格は「曼珠沙華」(まんじゅしゃげ)。
曼珠沙華とは古代インドの言葉のサンスクリット語
「マンジュウーシャカ」に由来しています。
マンジューシャカとは赤いお花を意味します。
インドには彼岸花が自生していませんでした。
元々は他の赤い花を指す言葉だったのでしょうね。
仏教では「曼珠沙華」(まんじゅしゃげ)とは
神が空から降らせる祝福の花とされています。
もしかして「曼殊沙華」とは想像上の花の名前かもしれませんね。
韓国では彼岸花の別名に「相思花」があります。
彼岸花の花が咲く頃に葉っぱがないことからきています。
花と葉っぱを同時に見ることができないんですね。
「花は葉っぱを思い葉っぱは花を思う」
なんて詩的な言葉なんでしょう。
日本の怖くない別名は彼岸花の生態由来
撮影者:スミレ
神社の周りにも咲いています。
韓国の別名はロマンティックな「相思花」。
同じく、彼岸花の生態から来ている日本の別名をご紹介します。
「葉見ず花見ず」
そのままって感じもしますが・・・。
彼岸花を怖がらせない点はOK。
彼岸花の特徴がよく出ている別名です。
この名前の由来は彼岸花は花の終わった後に葉を伸ばすところ。
撮影者:スミレ
彼岸花のつぼみ
葉っぱはありません。
彼岸花は田んぼのあぜ道、堤防や川岸に自生しています。
9月頃に唐突に花を咲かせます。
普通の花は芽が出て葉が出て茎を伸ばし、花を咲かせますよね。
彼岸花の場合、花が終わった後に葉っぱが出てきます。
葉っぱが終われば冬越しする、ちょっと珍しい生態を持っています。
この特徴は彼岸花のそっくりさん「ネリネ」と
見分け方のポイントになります
>関連記事 彼岸花にそっくりな花、赤やピンクの花の名前は?
<ちょっと耳より情報>
彼岸花は集合花。
小さな花が集合して咲きます。
蕾はろうそくの灯のように細いです。
ひとつずつ開花していき、あの彼岸花の艶やかなイメージになるんですよ。
撮影者:スミレ
彼岸花
全体が咲いたところ
彼岸花と六兵衛狐の不思議伝説
彼岸花には六兵衛狐の伝説が由来の別名もあります。
「狐のたいまつ」「狐の嫁御」「狐花」
古布村(愛知県知多郡美浜町)に伝わる彼岸花の伝説です。
◆六兵衛狐(ろくべえぎづね)の伝説◆
ある年の秋のこと、村のニワトリが襲われました。
村人たちは村の近くに住む六兵衛狐のしわざと思い込みます。
彼らは六兵衛狐の住みかの前でマツの葉を燃やし、六兵衛狐を追い出してしまいます。
翌日、村の子どもがひとり行方不明になりました。
村人たちは探し回りますが見つけることができません。
その翌日の午後にもなって、ようやく子どもが発見されました。
子どもはいっぱいの彼岸花を抱え、ふらふらと歩いていたのです。
子どもが無事に帰ってきてほっとする村人たちの思い、
背景にある狐の思いも感じられる、不思議なお話です。
田園風景の中のいっぱいの彼岸花。
詳しい事実は謎のままだけにイマジネーションを刺激される、
不思議なものがたりですね。
彼岸花の別名から見る毒性とは?
撮影者:スミレ
彼岸花の別名の中でちょっとだけ怖い部類になるでしょうか。
「しびれ花」という別名があります。
この別名の由来は、彼岸花が毒性成分リコリンを持っているから。
リコリンとは植物の毒のアルカロイドの1種です。
リコリンは水仙にも含まれているよ。
彼岸花の毒の含有量はそれほど多くはありません。
中国では彼岸花を防虫剤として、紙や布に混ぜて使うこともあるぐらいです。
毒が多いのは球根部分です。
彼岸花は昔、全国的に飢饉の時の食糧にするために植えられていたそう。
昔の人は水にさらして食べていたようですよ。
たいていの植物の種や根っこには毒がふくまれているもの。
彼岸花の毒の含有量はそれほど多くはありません。
触った後にしっかり手を洗えば大丈夫です。
<ちょっと耳より情報>
彼岸花の可愛い別名がひとつだけあるんです。
「数珠玉」
彼岸花の花と茎を使って、数珠玉や首飾りを作る遊びが由来です。
昔の子どもたちは彼岸花で
楽しく遊んでいたのかな。
彼岸花(ヒガンバナ)の花言葉
撮影者:スミレ
お彼岸に歩く彼岸花の小径
彼岸花(ヒガンバナ)の花の名前の由来は簡単です。
文字通り秋のお彼岸頃に咲く花だから。
彼岸花の花言葉で全般的によく使われるのは「情熱」「再会」です。
彼岸花のイメージはやっぱり赤。
白の彼岸花の秘密
撮影者:スミレ
白の彼岸花
彼岸花といえば赤のイメージ。
白い彼岸花を見かけることはありませんか?
原種の彼岸花は赤のみ。
もともと彼岸花は赤だけでした。
品種交配により、白や黄色の品種もできました。
白や黄色の彼岸花は原種ほど繁殖力は強くありません。
厳密に言うと、彼岸花と言えるのは赤だけだったのですね。
白や黄色を見かけるようになったのは
最近の気がします。
好きな色別花言葉
赤い彼岸花の花言葉は「情熱」「あきらめ」
仏教で「あきらめる」とは悟りの意味を持ちます。
前向きな言葉なのですね。
白の彼岸花の花言葉は「想うはあなたひとり」
別れた人との再会を待っているのでしょうか。
落ち着いた白の彼岸花にピッタリの花言葉ですね。
ちょっと珍しい黄色の彼岸花。
黄色の彼岸花の花言葉は「深い思いやり」
仏教的な香りもする赤と白の花言葉に比べると
黄色はちょっと日常寄りでしょうか。
元気の持てる花言葉ですね。
彼岸花の花言葉は良い意味ばかりです。
残念ながら、彼岸花には怖い別名が多いです。
プレゼントには避けた方が安全でしょう。
彼岸花をお庭に植えるのはタブーではありません。
華やかなお花を楽しめます。
全色:「情熱」「再会」
赤:「情熱」「あきらめ」
白:「想うはあなたひとり」
黄:「深い思いやり」
彼岸花(ヒガンバナ)の怖くない別名と良い色別花言葉まとめ
この記事では、彼岸花の怖くない別名の由来と色別花言葉と
彼岸花にまつわる「六兵衛狐(ろくべえぎづね)の伝説」をご紹介致しました。
◆彼岸花の別名の由来・色別花言葉◆
- 彼岸花の別名の代表格:「曼殊沙華」
- 狐の伝説由来の別名:「狐のたいまつ」「狐の嫁御」「狐花」
- 子どもの遊びからの別名:「数珠玉」
- 生態からの別名:「相思花」「葉見ず花見ず」「しびれ花」
- 花言葉全般:「情熱」「再会」
赤:「情熱」「あきらめ」
白:「想うはあなたひとり」
黄:「深い思いやり」
彼岸花は外国では人気のお花です。
この記事で、彼岸花の怖いイメージを持っていた方にも、新たな魅力を発見していただけると嬉しいです。
★ 彼岸花 9/13・9/20・9/23 誕生花 | ||
科名/属名 | ヒガンバナ科/ヒバンバナ属 |
|
原産 | 日本 中国 | |
学名 | Lycoris(リコリス) | |
別名 | 曼珠沙華 | |
花言葉 | 「情熱」「再会」 | |
開花時期 | 8~10月(最盛期はお彼岸頃) | |
花色 | 赤・白・ピンク・オレンジ・黄色 | |
特徴 | 多年草 開花時には葉がない |
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