初夏の山道で、クチナシ(梔子)の花が自生しているのを見つけたことはありますか?
クチナシ(梔子)は万葉集の昔から日本に自生していました。
原種のクチナシ(梔子)は純白の花びらが6枚の素朴なお花です。
5枚や6枚、8枚の花びらもよく見るよ
渡哲也さんが歌われた昭和歌謡の大ヒット曲「くちなしの花」。
昭和48年(1973年)作詞水木かおる氏、作曲は遠藤実氏の両先生です。
くちなしの 白い花 おまえのような 花だった
この曲のクチナシ(梔子)は和の女性のイメージですね。
私が見つけたクチナシ(梔子)は
薔薇のようにゴージャスでしたよ
クチナシ(梔子)の園芸種のガーデニアね
この記事では、クチナシ(梔子)の名前の由来と花言葉、園芸品種のガーデニアについて、お花初心者さんにもわかりやすくご紹介していきます。
◆クチナシ(梔子)の特徴、名前の由来と花言葉◆
- 原種のクチナシ(梔子):一重咲き・三香木のひとつ
- 西洋帰りのガーデニアと花言葉:「洗練」「優雅」「喜びを運ぶ」「とても幸せです」
- クチナシ(梔子)の名前の由来:実からきた
- クチナシ(梔子)の実の特徴:生薬や染色に使われる
クチナシ(梔子)は三香木のひとつ|香り高い初夏の花
撮影者:スミレ
アカネ科 / クチナシ属
クチナシ 常緑低木
クチナシ(梔子)の開花時期は6~7月。
原種は6枚の花びらの一重咲きです。
この写真は8枚ありますね。
純白の花が美しいですね。
葉っぱは楕円形で艶やかな緑との対比が生えます。
クチナシは万葉集にも登場回数が多い花。
昔から日本人に愛されてきたお花なのでしょう。
クチナシ(梔子)の一番の特徴はなんといってもその甘いフローラルな香り。
クチナシ、沈丁花、金木犀を
合わせて三香木と言います
3つとも街歩きでよく見かける花ですね。
クチナシは寒さに弱いの
東日本の生垣ではあまり見られないかも
クチナシ(梔子)は、沈丁花や金木犀ほど、香りに引き寄せられた記憶はありません。
梅雨の時期のお花なので香りが飛んでしまうのでしょうか?
生垣に数個咲いている位では気づかないかもしれません。
クチナシ(梔子)と知って顔を近づけると甘い香りがしました。
さすが三香木のひとつ
ジャスミンにも似た強い香りは邪気払いになるとも言われてきました。
クチナシ(梔子)の花が咲き終わると梅雨の終わりを予感させます。
<ちょっと耳より情報>
撮影者:スミレ
クチナシの蕾 6月中旬
三香木(さんこうぼく)とは香りの高い花が咲く樹木の代表です。
初夏のクチナシ(梔子)のほか、春のジンチョウゲ(沈丁花)、秋のキンモクセイ(金木犀)があります。
ちなみに三大フローラルノート(花の香り)は草花も含むのでまた異なってきます。
三大フローラルノートをご存知ですか?
答えはスズラン、ジャスミン、ローズです。
人気の香水ですね!
西洋帰りのクチナシ(梔子)の園芸種と花言葉
撮影者:スミレ
八重のクチナシ(梔子)は園芸品種
さて、もともと一重咲きだったクチナシ(梔子)の花。
ヨーロッパに渡って品種改良されて華やかになって帰ってきました。
このあたりの経過は、同じ時期に咲いている紫陽花にも似ていますね。
日本原種のアジサイと西洋アジサイの関係みたい
品種改良された西洋帰りのクチナシ(梔子)。
八重咲きはヤエクチナシ・オオヤエクチナシという品種です。
園芸品種で人気の初夏の花ですね。
一般的にはガーデニアと呼ばれています。
八重のガーデニアは観賞用です
染料は取れません
クチナシ(梔子)の花言葉は西洋からきています。
- 洗練
- 優雅
- 喜びを運ぶ
- とても幸せです
ダンスパーティの時、紳士は胸にクチナシ(梔子)のブートニアをつけて淑女をエスコートするのです。
ロマンティクですね。
花言葉からエスコートの風景が浮かびます
ちなみに純白のクチナシ(梔子)の花。
ダンスパーティのブートニア以外にも使われているのですよ。
プロポーズの花束やウエディングブーケにも。
クチナシ(梔子)は喜びと幸せを象徴する花なのです。
注意点は、クチナシ(梔子)の花はあまり持ちがよくないということ。
純白の花は翌日はクリーム色に、翌々日には褐色にしおれてきます。
花持ちが悪いのが玉にキズ
その日だけのお花と思ってね
クチナシ(梔子)の名前の由来は実の形から
撮影者:スミレ
八重のクチナシ(梔子)
日本原産のクチナシ(梔子)の花の名前の由来には諸説あります。
1.クチナシ(梔子)の実が熟しても割れないことから「口無し」
2.オレンジの実を「梨」に先端をを鳥の「嘴」に見立てたことから
個人的に2番の説はちょっと苦しいかな
と思っています
私がクチナシ(梔子)の名前の由来を知る前に思っていたことです。
クチナシ(梔子)は、花中央の形が特徴的だと思いませんか?
撮影者:スミレ
「鏡花水月★花つむぎ」管理人スミレは、この形で初夏の白い花のクチナシ(梔子)を見分けることができるようになったのです。
その後に香りをかいで確認♪
花の中央が×印のよう。
お口を閉じているみたいだから「口無し」なのかな、なんて思っていたぐらいなんですよ。
クチナシ(梔子)の名前の由来。
本当はどちらにしてもクチナシ(梔子)の実の形状からきていたのですね。
<ちょっと耳より情報>
クチナシ(梔子)の実の形は他の分野にも影響を及ぼしています。
ご存知ですか?
実は将棋盤の足はクチナシ(梔子)の果実を形にしたものなのです。
将棋をする人は無言、そばで見守る人の助言も無用。
つまり、口無し!?
クチナシに戒めの意味をこめた理由です
クチナシ(梔子)の実用的な特徴|漢方や染色に使われる
撮影者:スミレ
一重で7枚のクチナシ(梔子)
クチナシ(梔子)の一番の特徴は香りです。
その他にもクチナシ(梔子)にはふたつの実用的な特徴があります。
クチナシ(梔子)は10~11月頃にオレンジ色の実がなります。
万葉の時代からクチナシ(梔子)の実や生薬として使われていきました。
生薬の名前は山梔子(さんしし)。
主な効能としては消炎、止血、鎮静、利尿作用など。
精神的な不安を落ち着かせるともされています。
もうひとつクチナシ(梔子)の実用的な特徴。
染色に使われているのです。
クチナシ(梔子)は純白の花なのに?
オレンジの実を使うのよ
クチナシ(梔子)のオレンジ色の実の樹液。
これが食品の色付けにされています。
お正月の栗きんとんが蘇ってきました。
そういえばむかし・・・。
栗きんとんにクチナシを入れて
作ってくれたっけ
黄色くなるから
よりおいしく見えるね
クチナシ(梔子)の実は普通のスーパーでも見つけられます。
クチナシ(梔子)を使うのはお正月の栗きんとんのほか、サツマイモの甘煮などに使われています。
また、クチナシ(梔子)の実の染色は食品だけではなく、繊維の染色にも使われています。
草木染めね
黄色に染まるよ
● 白い花は三香木のひとつ
● オレンジの実は生薬
● 実の樹液は黄色系の染色に
クチナシ(梔子)の特徴、名前の由来と花言葉まとめ
この記事ではクチナシ(梔子)の名前の由来と花言葉、園芸品種のガーデニアについて、お花初心者さんにもわかりやすくご紹介致しました。
◆クチナシ(梔子)の特徴、名前の由来と花言葉まとめ◆
- 原種のクチナシ(梔子):一重咲き・三香木のひとつ
- 西洋帰りのガーデニアと花言葉:「洗練」「優雅」「喜びを運ぶ」「とても幸せです」
- クチナシ(梔子)の名前の由来:実からきた
- クチナシ(梔子)の実の特徴:生薬や染色に使われる
★クチナシ(梔子) 6/28・6/30 誕生花 | |
科名/属名 | アカネ科 //クチナシ属 |
原産 | 日本 |
学名 | Gardenia jasminoides |
英名 | Gardenia(ガーデニア) |
別名 | Cape jasmine(ケープ ジャスミン) |
花言葉 | 「洗練」「優雅」「喜びを運ぶ」「とても幸せです」 |
開花時期 | 6~7月 |
花色 | 純白 |
特徴 | ・三香木のひとつ(甘いフローラルな香り) ・オレンジの実や生薬や染色に ・常緑低木 |
価格:2,640円 |
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