初夏の山を歩くと、クチナシ(梔子)の花が自生しているのを見つけたことはありますか?
クチナシ(梔子)は万葉集の昔から日本に自生していました。
純白の花びらが6枚の素朴なお花です。
渡哲也さんが歌われた昭和歌謡「くちなしの花」
歌詞には「くちなしの 白い花 おまえのような 花だった」
と出てきます。
この曲でクチナシ(梔子)は、和の女性のイメージですね。

通勤路で見つけたクチナシ(梔子)は
薔薇のようにゴージャスでした

クチナシ(梔子)の園芸種
ガーデニアね
この記事ではクチナシ(梔子)の名前の由来と花言葉、園芸品種のガーデニアについてご紹介していきますね。
◆クチナシ(梔子)の特徴、名前の由来と花言葉◆
- 原種のクチナシ(梔子):一重咲き・三香木のひとつ
- クチナシ(梔子)の実の特徴:生薬や染色に使われる
- クチナシ(梔子)の名前の由来:実からきた
- 西洋帰りのガーデニアと花言葉:「洗練」「優雅」「喜びを運ぶ」「とても幸せです」
クチナシ(梔子)は香り高い初夏の花
撮影者:スミレ
クチナシ(梔子)の開花時期は6~7月。
原種は6枚の花びらの一重咲きです。
純白の花が美しいですね。
葉っぱは楕円形で艶やかな緑との対比が生えます。
クチナシは万葉集にも登場回数が多い花。
昔から日本人に愛されてきたお花なのでしょう。
クチナシ(梔子)の一番の特徴は、なんといってもその甘いフローラルな香り。

クチナシ、沈丁花、金木犀を
三香木というのよ
全て街歩きでよく見かける花ですね。

クチナシは寒さに弱いから
東日本の生垣ではあまり見られないかも
クチナシ(梔子)は、沈丁花や金木犀ほど、香りに引き寄せられた記憶はありません。
梅雨の時期のお花なので、香りが飛んでしまうのでしょうね。
生垣に数個咲いている位では気づかないかもしれません。
クチナシ(梔子)と知って、顔を近づけると甘い香りがしますよ。

さすが三香木のひとつ
クチナシ(梔子)の香水も人気ですね
ジャスミンにも似た、強い香りは邪気払いになるとも言われてきました。
クチナシ(梔子)の花が咲き終わると、梅雨の終わりを感じさせますね。
オレンジの実は生薬や染色にも
撮影者:スミレ
クチナシ(梔子)の一番の特徴は香りということは前述致しました。
その他にも、クチナシ(梔子)にはふたつの実用的な特徴があります。
クチナシ(梔子)は10~11月頃にオレンジ色の実がなります。
そのの実は、万葉の時代から生薬として使われていました。
生薬の名前は山梔子(さんしし)。
主な効能としては、消炎、止血、鎮静、利尿作用など。
精神的な不安を落ち着かせるともされています。
もうひとつ、クチナシ(梔子)の実用的な特徴。
それは、クチナシ(梔子)のオレンジ色の実の樹液。
これが食品の色付けにされています。
お正月の栗きんとんが蘇ってきました。
そういえば、むかし・・・。

栗きんとんにクチナシを入れて
作ってくれたっけ

黄色くなるから
よりおいしく見えるわね
クチナシ(梔子)の実はスーパーに普通に売っています。
お正月の栗きんとんなど、クチナシ(梔子)を使うのは特別な時だけではありません。
サツマイモの甘煮などに使われています。
また、クチナシ(梔子)の実の染色は食品だけではありません。
繊維の染色にも使われています。

いわゆる草木染めね
● 白い花は三香木のひとつ
● 実は生薬・染色に使われる
クチナシ(梔子)の名前の由来は実からきた
撮影者:スミレ
日本原産のクチナシ(梔子)の花の名前の由来には諸説あります。
1.クチナシ(梔子)の実が熟しても割れないことから「口無し」
2.オレンジの実を梨に、先を鳥の嘴に見立てたことから
個人的には2番の説はちょっと苦しいかなと思っています。
クチナシ(梔子)の名前の由来を知る前、思っていたことです。
原種のクチナシ(梔子)の花の真ん中が特徴的だと思いませんか?
撮影者:スミレ
これで初夏の白い花を、クチナシ(梔子)を見分けることができるようになりました。

その後に
香りをかいで確認
この真ん中が×印のよう。
お口を閉じているみたいだから「口無し」なのかな、
と思っていたぐらいなんですよ。
クチナシ(梔子)の名前の由来。
本当はどちらにしても、クチナシ(梔子)の実の形状からきていたのですね。
西洋帰りのクチナシ(梔子)の園芸種と花言葉
撮影者:スミレ
さて、もともと一重咲きだったクチナシ(梔子)の花。
ヨーロッパに渡って品種改良され、華やかになって帰ってきました。
このあたりの経過。
同じ時期に咲いている紫陽花にも似ていますね。

日本原種の紫陽花と西洋紫陽花の関係みたい
品種改良された西洋帰りのクチナシ(梔子)。
八重咲きは、ヤエクチナシ・オオヤエクチナシという品種です。
園芸品種としても人気の初夏の花です。
一般的にはガーデニアと呼ばれていますね。

八重のガーデニアは観賞用ね
染料は取れません
クチナシ(梔子)の花言葉は西洋からきています。
「洗練」「優雅」「喜びを運ぶ」「とても幸せです」
ダンスパーティの時、紳士は胸にクチナシ(梔子)のブートニアをつけるんですね。
そして淑女をエスコートするのです。
花言葉はそんな風景を彷彿とさせますね。
ちなみに純白のクチナシ(梔子)の花。
ダンスパーティのブートニア以外にも使われています。
プロポーズの花束やウエディングブーケにも。
クチナシ(梔子)は喜びと幸せを象徴する花なのです。
注意点は、クチナシ(梔子)の花はあまり持ちがよくありないということ。
純白の花は翌日はクリーム色に、翌々日は褐色にしおれてきます。

花持ちが悪いのが玉にキズ
その日だけのお花と思ってね
クチナシ(梔子)の特徴、名前の由来と花言葉まとめ
この記事ではクチナシ(梔子)の名前の由来と花言葉、園芸品種のガーデニアについてご紹介致しました。
◆クチナシ(梔子)の特徴、名前の由来と花言葉まとめ◆
- 原種のクチナシ(梔子):一重咲き・三香木のひとつ
- クチナシ(梔子)の実の特徴:生薬や染色に使われる
- クチナシ(梔子)の名前の由来:実からきた
- 西洋帰りのガーデニアと花言葉:「洗練」「優雅」「喜びを運ぶ」「とても幸せです」
★ クチナシ(梔子) 6/28・6/30 誕生花 | ||
科名/属名 | アカネ科 //クチナシ属![]() | |
原産 | 日本 | |
学名 | Gardenia jasminoides | |
別名 | Cape jasmine(ケープ ジャスミン) | |
英名 | Gardenia(ガーデニア) | |
花言葉 | 「洗練」「優雅」 「喜びを運ぶ」「とても幸せです」 | |
開花時期 | 6~7月 | |
花色 | 純白 | |
特徴 | 甘いフローラルな香り 三香木のひとつ 常緑低木 |
![]() | 価格:2,640円 |
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