名前はよく知る有名な花なのに実物の花を見ていて気づかない。
そんな悲しい経験はありませんか?
花さんぽが大好きで実際にお花を育てていない頃は頻繁にありました。
縁起の良い名前を持つ「福寿草」もそのひとつです。

ひとつずつでいいんだよ。
これから覚える楽しみがあるからいいじゃない。

お花を愛する先輩方はみんな優しくて。
ゆっくり成長することができました。
寒い冬だったある年の2月、ガーデニングの先輩から教えてもらいました。
「もう福寿草が咲いているよ。見てきて!」
本の中では知っていた福寿草を、実際にこの目でみた嬉しさといったら!
それから毎年2月頃、福寿草の花を楽しみに先輩のお庭にお邪魔しています。
福寿草の芽の段階で見つけることができると嬉しさもひとしおです。
撮影者:スミレ
キンポウゲ科 / フクジュソウ属
フクジュソウ 福寿草の芽
真ん中の緑のタケノコみたいな福寿草の新芽、わかりますか?
毎年お花と再会して親しくなっていく過程は楽しいものです。
◆福寿草(フクジュソウ)◆
- 福寿草の見つけ方と名前の由来
- 福寿草の花言葉伝説
- お庭で福寿草を育てる
この記事では、福寿草(フクジュソウ)の見つけ方や名前の由来と花言葉について、お花初心者さんにもわかりやすくご紹介致します。
福寿草(フクジュソウ)の見つけ方|縁起の良い名前の由来と別名
キンポウゲ科 / フクジュソウ属
フクジュソウ 多年草
福寿草は、旧暦のお正月頃に咲きます。
新年を祝っているかのよう、新年を寿ぐ花という意味で名前をつけられました。
別名は「元日草」「朔日草」「正月花」。
松、竹、梅と寄せ植えにすると福寿草の黄色の花が華やかに映えます。
正月の床飾りに喜ばれる植物ですね。

黄色のイメージが強いけど
白や紅色の花もあるよ。

花の形も一重~八重まで。
様々な品種が人気なのですね。
私が見つけた筍のような緑の芽は、もう少し膨らむとよくわかります。
時期的にフキノトウみたいと思ってしまいましたよ。
撮影者:スミレ
キンポウゲ科 / フクジュソウ属
フクジュソウ 福寿草の咲き始め
草丈は10~30センチぐらい。
黄金色のお花の大きさは直径3~4センチぐらいです。
葉は人参葉に似て細やかです。
福寿草を見たいなら、鉢植えやお庭、公園だけではありません。
里山で自生しているのを見ることができますよ。
地面近くで固まって咲いていることが多いです。
福寿草は日本の早春を代表するお花なのです。

だから実物を見た時に感動したの。
東北の福寿草の別名が春の訪れを感じさせます。
「土からまず咲く」が由来の「マンサグ」「ツチマンサグ」とも呼ばれています。
2月になったら、福寿草の蕾を探しに花さんぽに行きましょう。

お天気が良い日がオススメ。
夕方になると花は閉じてしまいます。
<ちょっと耳より情報>
福寿草は太陽の光が充分に当たらないと花が開きません。
夕方になってくると寒さを守るために閉じてしまいます。

開花時期は長いわりに
シャッターチャンスが難しい。
地面から近い場所で咲く福寿草の花。
花が咲いたらどんどん花茎が伸びていきます。
春の花が増えて花盛りの晩秋の頃に、福寿草の葉は枯れてくるのです。
やがて実ができて終わってしまいます。
周りが華やかな春の園の中で消えゆく福寿草。

最後まで見逃さないでね。
福寿草(フクジュソウ)|2つの悲しい花言葉伝説
撮影者:スミレ
キンポウゲ科 / フクジュソウ属
フクジュソウ 福寿草の花終わりの姿
福寿草の花言葉は「元日花」にちなむおめでたい意味と、伝説からくる悲しい意味のものがあります。
よく使われているのは縁起の良い花言葉です。
「幸せを招く」「永久の幸福」
お正月の床飾りにされるぐらいですからね!
福寿草は北海道~本州に自生する花です。
福寿草には2つの悲しい伝説があります。
ひとつめはアイヌの女神のお話です。
◆アイヌの女神クナウの伝説◆
むかしむかし、北の国に女神クナウがおりました。
父神より結婚を命ぜられます。
意にそわない結婚を断った女神クナウ。
地面近くに咲く野草である、福寿草の姿に変えられてしまいました。
アイヌの人々は、福寿草をクナウ・ノンノ(母の花)と呼ぶようになりました。
福寿草の英名は「アドニス」です。
もうひとつ、福寿草のギリシャ神話による伝説をご紹介しましょう。
◆アドニスのギリシャ神話◆
アドニスはギリシャ神話に登場する美青年です。
美の女神アフロディーテ(ヴィーナス)はアドニスを寵愛していました。
ある時、狩りで猪に襲われて命を落としたアドニス。
アフロディーテは彼の死を悲しみ、彼の血潮をアドニス(福寿草)に変えました。
ギリシャ神話由来の福寿草の花言葉です。
「悲しい思い出」「回想」
<ちょっと耳より情報>
このギリシャ神話はアネモネの伝説として語られることがあります。
ヨーロッパの西洋福寿草は赤が主流です。
「アドニス」と「アネモネ」。
名前が似ているところと、アネモネの赤い花から混同したのでしょうね。
福寿草の学名がアドニスなので本来は福寿草の伝説だった説が有力です。

どちらにしても伝説は言い伝え。
変遷していくものですよね。
福寿草(フクジュソウ)|福寿草の育て方
撮影者:スミレ
点々と福寿草の咲き始め
福寿草の芽を見つけた時、筍かフキノトウのよう、という感想を持ちました。
筍は季節が違いますが、早春のイメージからフキノトウと思い込む人もいるかもしれません。
福寿草には全草に強い毒があります。

フキノトウと間違うと大変ですね。
触るだけなら大丈夫です。
福寿草はフキノトウに似ていても食べられません。
花を愛でる植物と覚えておいてください。
福寿草をお正月の寄せ植えする場合は鉢植えを買いましょう。
12月頃から鉢植えが出回ります。
これはそのままで楽しめるように促成栽培されたものです。
一般的には福寿草を11~12月頃に地植えにすると2~4月頃に開花します。

地植えの福寿草は
植えっぱなしでも結構大丈夫。
お正月の寄せ植えが終わったら、2月後半に株を地植えに移動させることもできます。
福寿草は多年草です。
地植えの福寿草は丈夫で、ほったらかしガーデンにもピッタリの植物です。
撮影者:スミレ
地植えに強い園芸種「福寿海(フクジュカイ)」
真冬の黄色の花、福寿草は夏の暑さが苦手です。
植木鉢を涼しい場所に移動させてあげてくださいね。
福寿草の株が大きくなってきたら9~10月頃に株分けを行います。
地植えなら数年に1回程度の作業で大丈夫です。

株分けする時はそぉーっと。
根を切らないように気をつけね。
福寿草は冬のお庭を明るくする、ガーデニング初心者さんにもおすすめの植物です。
福寿草(フクジュソウ)|名前の由来と花言葉まとめ
◆福寿草◆
- 福寿草の見つけ方と名前の由来:2月に芽が出る
- 福寿草の花言葉伝説:悲しいアイヌ伝説とギリシャ伝説
- 福寿草を育てる:お正月飾りが終わったら地植えがおすすめ
★ 福寿草(フクジュソウ)1/1、1/3、2/26 誕生花 | |
科名/属名 | ![]() キンポウゲ科 / フクジュソウ属 フクジュソウ |
原産 | 日本、東アジア |
学名 | Adonis ramosa |
英名 | Amur adonis Pheasant’s eye(雉の眼) |
別名 | 「元日草」「朔日草」「正月花」 |
花言葉 | 「幸せを招く」「永久の幸福」 「悲しい思い出」「回想」 |
開花時期 | 2~4月 |
花色 | 黄色が主流 赤・白・緑 |
特徴 | ・多年草 ・お正月の床飾りや寄せ植えに人気 ・全草毒あり |
この記事は2月に見つけた黄色の福寿草について、お花初心者さんにもわかりやすくご紹介致しました。
晩秋から早春の花さんぽはお花も少なく寂しいですよね。
その中で見つけた植物をご紹介しています。
<あわせて読みたい♪>
ツワブキ(石蕗)|晩秋~冬さんぽで出逢う黄色の花は食べられる野草

ロウバイ(蝋梅)とサンシュユ(山茱萸)|冬の花散歩は樹木に注目!


「鏡花水月★花つむぎ」では、身近なお花の見分け方・初心者向きガーデニング・花さんぽの穴場スポットなどをご紹介しています。
またお立ち寄りくださると嬉しいです。