9月を代表する花といえば何を思い浮かべますか?
私は涼しさも感じる青紫の色が印象的なリンドウ(竜胆)ですね。
リンドウ(竜胆)はダリアと並び、9月の代表的な誕生花になっています。
この時期のプレゼントにもよく選ばれていますよ。
切り花のリンドウ(竜胆)の蕾のすべてが開いたのを見たことはありますか?
なかなか難しいと思います。山や野原でも、リンドウ(竜胆)の花が華やかに開いているところに遭遇したことがある人は珍しいのではないかしら。
一面に咲き誇るリンドウ(竜胆)の花を想像してみてください。
写真でもあまり見たことがないような
リンドウ(竜胆)はちょっとした刺激で閉じてしまうよ
繊細なお花リンドウ(竜胆)は、洋の東西を問わず薬草として使われてきた歴史があります。
この記事では、9月の誕生花リンドウ(竜胆)の特徴、あわせて名前の由来と薬草伝説について、お花初心者さんにもわかりやすくご紹介いたします。
◆リンドウ(竜胆)◆
- 特徴:秋の野山に自生・園芸品種も多い
- 名前の由来:龍の肝にたとえた苦味から
- 薬草伝説:「聖ラディアス王と薬草」「日和山 二荒縁起」
- 花言葉:「正義」「悲しんでいるあなたを愛す」「誠実」
リンドウ(竜胆)の特徴|400種以上自生種のある繊細な花
撮影者:スミレ
リンドウ属/リンドウ科
リンドウ 多年草
ピンク色のリンドウ(竜胆)の園芸種
リンドウ(竜胆)は日本原産で、本州、九州、四国に自生種が見られます。
自生種だけでも400種以上あります。
秋を代表する草花ですね。
もともとの花色は紫か薄紫です。
リンドウ(竜胆)はキキョウと同じく
青紫イメージでした
実際は種類が多いよ
品種改良されたものもあるし
実はリンドウ(竜胆)の種類は、自生種だけでも400種ほどあります。
リンドウ(竜胆)の花は朝には閉じます。
切り花のリンドウ(竜胆)の花束を買っても、つぼみのまま枯れていくこともよくあること。
「鏡花水月★花つむぎ」管理人スミレ、お友達にリンドウ(竜胆)愛を語っていたら。
「つぼみのまま開かないお花だと思っていたわ。」と言われてビックリ!
無理もないかもしれません。
リンドウ(竜胆)は少しの刺激でもすぐに閉じてしまう、繊細なお花なのです。
秋の里山に自生しているリンドウ(竜胆)。
青紫の花と緑の細長い葉が清々しく映えています。
大きく開くお花ではないので、咲いているのを見つけるとhappyな気分になりますね。
人気のもの、代表的な品種です。
・フデリンドウ
・ハルリンドウ
・ミヤマリンドウ
・エゾリンドウ
・タテウアマリンドウ
品種改良されたものは、一見リンドウ(竜胆)とはわからないぐらいに変化しています。
白やピンクのものも愛らしいですよ。
上の写真も形は竜胆らしい筒状の花ですがピンク色をしていますね。
「鏡花水月★花つむぎ」管理人が個人的にビックリしたものは、
ご近所さんの玄関先で可愛いくて目を引いた「カビサンリンドウ」です。
これをリンドウ(竜胆)の仲間とわかるのは正直難しいですね。
(写真を撮るのを忘れたのが残念)
とても小さなピンク色をしていました。
リンドウ(竜胆)の花に惹かれて園芸店で購入したとします。
繊細なリンドウの花を鑑賞した後はどうしたらいいでしょうか?
園芸品種が多いということは
育てるのはそんなに難しくないと思いたい
お庭の日当たりのいい場所に堆肥を入れて
植え替えてあげてね。
来年も会えると思うよ
リンドウ(竜胆)は多年草なので来年も咲かせることができます。
山や野原でも日当たりの良い場所に自生しています。
お庭でもなるべく日の当たるところに植え替えてあげてくださいね。
リンドウ(竜胆)|名前の由来は薬効から
リンドウ属/リンドウ科
リンドウ 多年草
秋の野山に咲くリンドウ(竜胆)には寂しげな風情があります。
透明感のある青紫に引き寄せられます。
筒状に咲くリンドウ(竜胆)は最盛期でも開きは小さく可憐なまま。
決して派手なお花ではありません。
静かな秋の野原に合うお花ですよね。
それなのに漢字を見るとちょっと怖く感じませんか?
「竜胆」・・・つまり竜の肝だなんて。
どんな由来があるのでしょうか?
平安時代の別名は「たつのいぐさ」(太豆乃伊草)とも呼ばれていました。
リンドウ(竜胆)の根っこには苦味があります。
竜(たつ)とい(熊の肝)の肝臓が苦いところから名付けられたのですね。
中国の漢方の書物「神農本草経」には、リンドウ(竜胆)は味苦く五臓の虫を殺すとあります。
リンドウ(竜胆)の和名は「えやみぐさ」。
疫病の治療に使われていたそうです。
リンドウ(竜胆)に薬効があることは、洋の東西を問わず広く知られていました。
リンドウ(竜胆)の苦味成分はゲンチアニン。
ゲンチアニンには殺菌力があり、健胃剤として使われていました。
英名「ゲンチアン」。
これは、リンドウ(竜胆)を医療に役立てたイリュリア王ゲンチウスに(古代ローマの王)にちなんで、つけられたといわれています。
もっと苦いのはリンドウ(竜胆)科のセンブリ
聞いたことあります
千回振っても苦いんですよね!
● 苦さを竜胆(龍の肝臓)に例えたことから
リンドウ(竜胆)の伝説「聖ラディアス王の薬草」
ハンガリーにはリンドウ(竜胆)の薬効にちなんだ伝説があります。
◆聖ラディアス王のリンドウ(竜胆)伝説◆
むかしむかし、ハンガリー国で死の病と呼ばれた「ペスト」が蔓延していました。
何も対処法がない時代です。
次々と亡くなっていく民衆を前に、ラディアス王はどうすることもできませんでした。
ラディアス王は山に入り神に祈ります。
「神よ、どうぞ病を治す薬草にこの矢をお導きください。」
ラディアス王の放った矢が当たったのはリンドウ(竜胆)の根っこでした。
王はリンドウ(竜胆)の根っこを持ち帰って処方し病気の民に与えます。
民衆は元氣を回復していきました。
元氣になった民衆は、感謝をこめてラディアス王を称えます。
その時からリンドウ(竜胆)は「聖ラディアス王の薬草」と呼ばれるようになりました!
リンドウ(竜胆)の薬効は世界各地で知られていました。
日本にもリンドウ(竜胆)の薬効伝説がありますよ。
ウサギに教えてもらった薬効伝説が残っています。
親孝行な役小角(えんのおづの)さんのお母さんの病気が治るお話です。
(「日和山 二荒縁起」)
ウサギとお話できる
ほのぼのした昔話ですね
このウサギは二荒神の化身とされています
リンドウ(竜胆)の花言葉|悲しんでいるあなたを愛す
撮影者:スミレ
リンドウの切り花
リンドウ(竜胆)の花言葉はいくつかあります。
薬効からからきているのでしょう。
「正義」という強い花言葉がありますね。
また、リンドウ(竜胆)の花のイメージにピッタリの花言葉もあります。
「誠実」
そしてもうひとつ。
「悲しんでいるあなたを愛す」
なんだか深いですね。
1番リンドウ(竜胆)らしいと思う花言葉です
リンドウ(竜胆)の青紫の花色のイメージからきているように思います。
また、リンドウ(竜胆)は群生しないところからにも感じます。
ひとりで立って生きていけるように見守る愛でしょうか。
花言葉は花の姿形や特性からできたものです。
これはわたしの個人的なイメージです。
あなたはリンドウ(竜胆)の花言葉をどんな風に感じられましたか?
リンドウ(竜胆)の特徴・名前の由来と花言葉のまとめ
この記事では、9月を代表する誕生花リンドウ(竜胆)の特徴、あわせて名前の由来と薬草伝説について、お花初心者さんにもわかりやすくご紹介いたしました。
◆リンドウ(竜胆)◆
- 特徴:秋の野山に自生・園芸品種も多い
- 名前の由来:龍の肝にたとえた苦味から
- 薬草伝説:「聖ラディアス王と薬草」「日和山 二荒縁起」
- 花言葉:「正義」「悲しんでいるあなたを愛す」「誠実」
★ リンドウ(竜胆) 9/16,28,10/1,20 誕生花 | |
科名/属名 | リンドウ属/リンドウ科 |
原産 | 日本・中国 |
学名 | Gentiana scabra |
英名 | gentian(ゲンチアン) |
別名 | ササリンドウ・エヤミグサ |
花言葉 | 「悲しんでいるあなたを愛す」 「誠実」 |
開花時期 | 9~10月 |
花色 | 青紫(原種) 青・紫・白・ピンクなど(園芸品種) |
特徴 | ・多年草 ・薬効植物(根に健胃作用あり) |
リンドウ(竜胆)もキキョウ(桔梗)も秋の風情があるお花ですよね。
青紫色のふたつの花、迷ったことはありませんか?
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