リンドウ(竜胆)の花が華やかに開いている様に遭遇したことはありますか?
一面に咲き誇るリンドウ(竜胆)の花・・・。
あまり見かけない印象ですよね。

リンドウのつぼみや
小さく開いているのはありますけど。

リンドウはちょっとした刺激で閉じてしまうのよ。
繊細なお花リンドウ(竜胆)は洋の東西を問わず、薬草として使われてきた歴史があります。
この記事では、リンドウ(竜胆)の特徴、名前の由来と薬草伝説をご紹介します。
◆リンドウ(竜胆)◆
- 特徴:秋の野山に自生・園芸品種も多い
- 名前の由来:龍の肝にたとえた苦味から
- 薬草伝説:「聖ラディアス王と薬草」「日和山 二荒縁起」
- 花言葉:「正義」「悲しんでいるあなたを愛す」「誠実」
リンドウ(竜胆)は自生種だけでも約400種ある
撮影者:スミレ
リンドウ属/リンドウ科
ピンク色したリンドウの園芸種
リンドウの花は朝には閉じます。
切り花のリンドウの花束を買っても、つぼみのまま枯れていくこともよくあること。
お友達にリンドウ愛を語っていたら
「つぼみのまま開かないお花だと思っていたわ。」
と言われてビックリ!
でも、無理もないかもしれません。
リンドウは少しの刺激でもすぐに閉じてしまう、繊細なお花なのです。
秋の里山に自生しているリンドウ。
青紫の花と緑の細長い葉っぱが清々しく映えますね。
大きく開くお花ではないので、咲いているのを見つけるとhappyな気分に♪

リンドウはキキョウと同じく
青紫イメージでした。

実際には種類が多いわよ。
品種改良されたものもあるし。
実はリンドウの種類は自生種だけでも400種ほどあります。
人気のもの、代表的なものを上げました。
・フデリンドウ
・ハルリンドウ
・ミヤマリンドウ
・エゾリンドウ
・タテウアマリンドウ
品種改良されたものは、一見リンドウとはわからないぐらいに変化しています。
「鏡花水月★花つむぎ」管理人が個人的にビックリしたものは、
ご近所さんの玄関先で可愛いくて目を引いた「カビサンリンドウ」です。
これをリンドウの仲間とわかるのは正直難しいですね。
(写真を撮るのを忘れたのが残念)

とても小さくてピンク色でした♪
リンドウ(竜胆)の名前の由来は薬効から
リンドウ属/リンドウ科
リンドウ
秋の野山に咲くリンドウには寂しげな風情があります。
透明感のある青紫に引き寄せられます。
袋状に咲くリンドウは最盛期でも開きは小さく可憐なまま。
決して派手なお花ではありません。
静かな秋の野原に合うお花ですよね。
なのに、漢字を見るとちょっと怖く感じませんか?
「竜胆」だなんて!
どんな由来があるのでしょうか?
平安時代の別名は「たつのいぐさ」(太豆乃伊草)とも呼ばれていました。
リンドウの根っこには苦味があります。
竜(たつ)とい(熊の肝)の肝臓が苦いところから名付けられたのですね。
中国の漢方の書物「神農本草経」には、リンドウは味苦く五臓の虫を殺すとあります。
リンドウの和名は「えやみぐさ」。
疫病の治療に使われていたそうです。
リンドウに薬効があることは、洋の東西を問わず広く知られていました。
リンドウの苦味成分はゲンチアニン。
ゲンチアニンには殺菌力があり、健胃剤として使われていました。
英名「ゲンチアン」。
これは、リンドウを医療に役立てたイリュリア王ゲンチウスに(古代ローマの王)にちなんで、つけられたといわれています。

もっと苦いのはリンドウ科のセンブリね。

聞いたことあります。
千回振っても苦いんですよね。
● 苦さを竜胆(龍の肝臓)に例えたことから
リンドウ(竜胆)の伝説「聖ラディアス王の薬草」
ハンガリーにはリンドウの薬効に因んだこんな伝説があります。
簡単にご紹介しましょう。
◆聖ラディアス王の薬草伝説◆
むかしむかし、ハンガリー国で死の病と呼ばれた「ペスト」が蔓延していました。
何も対処法がない時代です。
次々と亡くなっていく民衆を前に、ラディアス王はどうすることもできませんでした。
ラディアス王は山に入り神に祈ります。
「神よ、どうぞ病を治す薬草にこの矢をお導きください。」
ラディアス王の放った矢が当たったのはリンドウの根っこでした。
王はリンドウの根っこを持ち帰って処方し病気の民に与えます。
民衆は元氣を回復していきました。
元氣になった民衆は、感謝をこめてラディアス王を称えます。
その時からリンドウは「聖ラディアス王の薬草」と呼ばれるようになりました!
日本にもリンドウの薬効話がありますよ。
ウサギに教えてもらった薬効伝説が残っています。
親孝行な役小角(えんのおづの)さんのお母さんの病気が治るお話です。
(「日和山 二荒縁起」)

ウサギとお話できるなんて
ほのぼのした昔話ですね。

このウサギは二荒神の化身だったとされています。
リンドウ(竜胆)の花言葉「悲しんでいるあなたを愛す」
撮影者:スミレ
リンドウの花言葉はいくつかあります。
薬効からからきているのでしょう。
「正義」なんて強い花言葉もありますね。
リンドウの花のイメージにピッタリの花言葉もあります。
「誠実」
そしてもうひとつ。
「悲しんでいるあなたを愛す」
なんだか深いですね。

1番リンドウらしいと思う花言葉です。
リンドウの青紫の花色のイメージからきているように思います。
また、リンドウは群生しないところからにも感じます。
ひとりで立って生きていけるように見守る愛でしょうか。
花言葉は花の姿形や特性からできたものです。
これはわたしの個人的なイメージです。
あなたはリンドウの花言葉をどんな風に感じられましたか?
リンドウ(竜胆)の特徴・名前の由来と花言葉のまとめ
この記事では、リンドウ(竜胆)の特徴~名前の由来と薬草伝説をご紹介致しました。
◆リンドウ(竜胆)◆
- 特徴:秋の野山に自生・園芸品種も多い
- 名前の由来:龍の肝にたとえた苦味から
- 薬草伝説:「聖ラディアス王と薬草」「日和山 二荒縁起」
- 花言葉:「正義」「悲しんでいるあなたを愛す」「誠実」
★リンドウ(竜胆) 9/16・10/20 誕生花 | ||
科名/属名 | リンドウ属/リンドウ科 | |
原産 | 日本・中国 | |
学名 | Gentiana scabra | |
別名 | ササリンドウ・エヤミグサ | |
英名 | ゲンチアン | |
花言葉 | 「悲しんでいるあなたを愛す」 「誠実」 | |
開花時期 | 9~10月 | |
花色 | 青紫 青・紫・白・ピンクなど(園芸品種) | |
特徴 | 多年草 根に薬効(健胃作用)あり |
リンドウもキキョウも秋の風情があるお花ですよね。
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