真夏の暑さを表現しているような赤や濃いピンクの花。
濃い緑色の葉っぱで幹に特徴がある街路樹。
この樹木の名前を聞いたことがないという人は珍しいと思います。
古くからある、有名な花の樹の名前はなんでしょうか?
書物では「百日紅」と表記されています。
漢字にすると読みにくい、名前を聞いたらすぐにわかる。
その答えは?
音読みでは「ヒャクジツコウ」
訓読みでは「サルスベリ」ですね!
サルスベリ(百日紅)は真夏の暑さの中でも元気いっぱい。
濃い緑の葉っぱと赤い花を咲かせています。
蝉の声が似合う樹木だと感じますね。
この記事では、サルスベリ(百日紅)の特徴、名前の由来と別名をお花初心者さんにもわかりやすく、
あわせて花言葉の伝説も紹介いたします。
◆サルスベリ(百日紅)の特徴と名前の由来◆
- サルスベリ(百日紅)の特徴:夏に花咲く樹皮がツルツルした落葉樹
- サルスベリの名前の由来:哀しい昔話とユーモラスな和名
- サルスベリの花言葉:花の様子からと和名からきたもの
サルスベリ(百日紅)|真夏に花が咲く人気の街路樹
撮影者:スミレ
ミソハギ科 / サルスベリ属
サルスベリ
どうしてもお花が寂しくなってしまう真夏。
開花時期が長いサルスベリ(百日紅)は道行く人を楽しませてくれる花ですね。
サルスベリは真夏の暑さに強いだけではなく、耐寒性もある落葉樹です。
赤やピンクの花が7月~10月頃まで咲いています。
サルスベリは日本には江戸時代にやって来ました。
当初は仏縁の樹木としてお寺の境内に植えられていました。
今では公園・街路樹・お家のシンボルツリーとしても人気の樹木ですね。
サルスベリは樹高約3~7mぐらいに成長する木です。
そのため、なかなかサルスベリの花を間近で見るのは難しいのです。
サルスベリの樹の下に立つとほのかな香りがするんですよ。
できるだけ近寄って香りをかいでみてくださいね。
サルスベリの下を通って
香りに気づかないのはもったいない
また、サルスベリには色々園芸品種があります。
矮小化された品種なら手の届くところに花があります。
こちらは香りを確かやすいから近寄ってみてね。
甘い香りでした♪
サルスベリ(百日紅)の樹皮は生えてから1年が過ぎるとはがれ、ツルツルし始めます。
撮影者:スミレ
サルスベリの樹皮がはがれたところ
街さんぽでサルスベリ(百日紅)に出会ったら樹皮を観察してみてくださいね。
幹の感触を確かめるのも面白いですよ。
サルスベリは成長が著しい樹木のため、毎年の剪定は欠かせません。
晩秋~冬に剪定する必要があります。
お家のシンボルツリーにする場合は
知っておくといい知識ですね
お庭のスペースが心配なら
矮小化された品種を選ぶといいよ
● 夏の代表的な花で開花期は長い(7~10月)
● 1年経過すると樹皮がはがれて幹がツルツルし始める
● 成長著しく毎年の剪定必須な樹木
サルスベリ(百日紅)の名前の由来|哀しい昔話とユーモラスな和名
撮影者:スミレ
ピンクのサルスベリ
サルスベリ(百日紅)の名前の由来はふたつあります。
ひとつは訓読みサルスベリの由来、もうひとつは音読みのヒャクジツコウの由来です。
- 幹がツルツルしているので猿も滑るという意味から
- 朝鮮の昔話から
訓読みの由来は、サルスベリの植物の生態からつけられたもの。
見たままそのままでユーモラスですよね。
音読みヒャクジツコウの方は哀しい昔話から。
簡単にご紹介しておきましょう。
◆ヒャクジツコウの哀しい昔話◆
朝鮮半島の昔話に「百日紅」の花のお話があります。
むかしむかし、ある村で若い娘を竜神に捧げる習わしがありました。
そこへ王子がやってきて竜神と戦い、村娘の救出に成功します。
王子と村娘は恋仲になりました。
100日後に戻ると約束して一旦村を出た王子。
約束通り王子が戻ってきた時、村娘は王子を思いこがれて亡くなっていたのです。
王子はたいそう悲しみました。
村娘の墓から百日紅の花が100日間咲き続けたと言います。
昔話の名前の由来もサルスベリの花の生態に関係します。
サスルベリ(百日紅)の花が長く咲くことから
100日間咲いた昔話が生まれたのでしょうか?
ユーモラスな”猿が滑るからサルスベリ”
の名前の由来の方がいいな
本当は猿はサルスベリの木に登れるけどね。
<ちょっと耳より情報>
サスルベリの中国名が素敵なのでご紹介します。
中国でサルスベリは「百日紅(ヒャクジツコウ)」より一般的に「紫微(シビ)」という名前で呼ばれています。
17世紀の学者、王象普(オウショウシン)が書いた植物事典、「二如亭群芳譜(ニジョテイグンホウフ)」には
「紫微(シビ)」の項目で取り上げられてます。
中国での本名は「紫微(シビ)」さんだったのですね
サルスベリ(百日紅)の花言葉|花の形と名前の由来から
撮影者:スミレ
白の矮小化品種のサルスベリ
サルスベリの花の生態からきた花言葉をご紹介しますね。
「雄弁」
花びらがちりめんのように縮れているところから。
「愛敬」
まとまって咲くサルスベリの可愛らしさを表現したのでしょうね。
和名サルスベリの名前の由来から来ている花言葉もありますよ。
花言葉は「不用意」
猿はサルスベリに登れるから
あくまでもイメージね。
サルスベリ(百日紅)の特徴・名前の由来と花言葉のまとめ
先に「ヒャクジツコウ」と聞き「百日紅」の漢字を読めば、知らない樹木のように思えるサルスベリの木。
日本では「ヒャクジツコウ」と呼ぶこともありますが、一般的には「サルスベリ」の和名が浸透しています。
実は知っているお花だったなんて
初心者あるあるです。
また、中国では「紫微(シビ)」と呼ばれ、「百日紅(ヒャクジツコウ)」の方が別名でした。
サルスベリの木の特徴は樹皮がはがれることと、ほのかな香りがすることです。
この記事では、サルスベリ(百日紅)の特徴、名前の由来と別名をお花初心者さんにもわかりやすく、
あわせて花言葉の伝説をご紹介致しました。
◆サルスベリ(百日紅)の特徴と名前の由来◆
- サルスベリ(百日紅)の特徴:夏に花咲く樹皮がツルツルした落葉樹
- サルスベリの名前の由来:長く花の咲く様から哀しい昔話、樹木の様子からユーモラスな名前
- サルスベリの花言葉:花の様子からと和名からきたもの
★ サルスベリ(百日紅) 7/31 8/29 誕生花 | |
科名/属名 | ミソハギ科 / サススベリ属 |
原産 | 中国南部 |
学名 | Lagerstroemia indica |
英名 | Crape myrtle |
中国名 | 紫微(シビ) |
和名 | サルスベリ(百日紅) |
別名 | ヒャクジツコウ(百日紅) くすぐりの木 |
花言葉 | 「雄弁」「愛敬」「不用意」 |
開花時期 | 7~10月 |
花色 | 赤・白・ピンク・うす紫 |
特徴 | ・樹皮がはがれる ・ほのかな甘い香り |
街歩きで見つけた公園の樹木、お家のシンボルツリー、街路樹にも色々ありますね。
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