真夏を代表する花と言えば何でしょう?
ヒマワリ(向日葵)、サルスベリ(百日紅)それに・・・?
春や初夏に比べると花の数はぐっと少なくなってしまいますね。
だから目立っていたのです。
真夏の道路脇で元気に咲いているムクゲ(木槿)の花が!
毎日の通勤路で、ムクゲ(木槿)の横を通り過ぎる時がひとときの癒やし。
ところがある日、別の場所でムクゲ(木槿)の様なお花を見つけました。
いつも見ているムクゲとそっくりなんだけど
どこかが違う・・・。
芙蓉(フヨウ)の花でした。
ムクゲ(木槿)フヨウ(芙蓉)。
そっくりさんなんだけどちょっと違う、と違和感を持ったのはどこだったのでしょう?
知って納得。
ムクゲ(木槿)との別物感を感じたのは、フヨウのお花の真ん中の雌しべの形でした。
周辺の葉っぱの形は無意識にでも気づいていたのかな?
無意識のうちに違う花だと感じる人間の脳って面白いですね。
ムクゲ(木槿)フヨウ(芙蓉)の違いは、雌しべと葉っぱにあったのです!
ムクゲとフヨウは見分けがつきにくいから
よく訊かれるわ。
この記事では、貴重な真夏の元気なお花、ムクゲ(木槿)フヨウ(芙蓉)の違いを、お花初心者さんにもわかりやすく解説していきますね。
◆ムクゲ(木槿)フヨウ(芙蓉)の違い◆
- 開花期間:ムクゲは6~9月・フヨウは8~10月
- わかりやすい見分け方:雌しべと葉っぱの形・株の広がりで見る
- 植物トリビア:ムクゲ(木槿)の名前は原語読みから
フヨウ(芙蓉)の名前はハス(蓮)の別名が由来
ムクゲ(木槿)|梅雨時から咲き始める
撮影者:スミレ
アオイ科 / フヨウ属
木槿(ムクゲ)
盛夏の季節にいきなり、ムクゲ(木槿)フヨウ(芙蓉)を見分けるのは難しいかもしれません。
先に咲き始めて開花時期が長いのはムクゲ(木槿)です。
私はフヨウより先にムクゲを覚えました。
梅雨時に咲いているのはムクゲと思って大丈夫よ。
フヨウ(芙蓉)は真夏の8月に咲き始めます。
ムクゲ(木槿)とフヨウ(芙蓉)の共通点は1日花。
1日咲いたらすぐ枯れる短い命です。
でも、翌日にはまた別の花が花開きます。
ムクゲ(木槿)は梅雨頃から夏の終わりまでずーっと毎日咲き続けてくれます。
フヨウは(芙蓉)は真夏~10月初めぐらいまでですね。
だからでしょうか。ムクゲ(木槿)フヨウ(芙蓉)も、庭の生垣としてよく植えられています。
真夏の通勤路ではお馴染みさんなのですね。
ムクゲ(木槿)フヨウ(芙蓉)の違いは雌しべがポイント
ムクゲ(木槿)の後にフヨウ(芙蓉)の花を見て、違いを感じたのはお花の真ん中にありました。
お花の真ん中にある雌しべがポイントです。
撮影者:スミレ
アオイ科 / フヨウ属
木槿(ムクゲ)
ムクゲ(木槿)は棒の様に真っ直ぐ伸びています。
撮影者:スミレ
アオイ科 / フヨウ属
フヨウ(芙蓉)
フヨウ(芙蓉)は先別れしていてボリュームがある感じですね。
また、雌しべは真っ直ぐではなくて、ちょっと上にカーブしているのも特徴です。
お花の真ん中にある雌しべの形が、顔全体の印象に影響していたという訳ですね。
追記:Twitterフォロワーさんに教えていただきました。
フヨウ(芙蓉)の花の付け根には「花外蜜腺」という花の蜜が出る腺があるそうです。
ムクゲ(木槿)フヨウ(芙蓉)を葉っぱの大きさで見分ける
ムクゲ(木槿)フヨウ(芙蓉)の見分け方、もうひとつは葉っぱの形。
葉の大きさが全然違うんですよ。
撮影者:スミレ
ムクゲの葉の形に注目
ムクゲ(木槿)。
葉っぱが小さく細めで切り込みも鋭い感じ。
上に向かって伸びています。
ムクゲ(木槿)は株全体的に上を向いて高く伸びて咲きます。
ムクゲ | フヨウ |
撮影者:スミレ 背が高く縦長な印象の株です |
撮影者:スミレ フヨウ(芙蓉)の葉は大きい |
お花よりも大きいぐらいの広い面積の葉っぱがフヨウ(芙蓉)です。
葉っぱの表裏には毛があります。
芙蓉の実は10~12月頃にできます。
株全体の咲き方は、ムクゲ(木槿)が天に向かっていくのに対し、
フヨウ(芙蓉)横広がりな株になっています。
ムクゲ(木槿)に似ているフヨウ(芙蓉)の花。
お花を見て迷った時は、葉っぱに注目すれば簡単に見分けることができます。
木槿(ムクゲ)と芙蓉(フヨウ)|名前の読みと由来が面白い
ところで、ムクゲとフヨウの名前の読みと由来が面白いです。
ちょっとご紹介したいと思います。
ムクゲの名前の読みと由来
撮影者:スミレ
木槿(ムクゲ)
ムクゲとは
変わった読み方と感じませんか?
日本語にはあまりない音の組み合わせというか。
この理由は、伝来した時に外国名の音で呼んでいたことからきています。
1.中国名「木槿」音読みのモッキン⇒ムクゲ
2.朝鮮半島での呼び名「無窮花」(ムグンファ)
音読みのムキュウカ⇒ムクゲ
ムクゲは韓国の国花になっているよ。
ムクゲの和名は「木蓮」(キハチス)。
和名は「木に咲く蓮」という意味からきています。
こちらはわかりやすいですね。
呼びやすくてしっくりきます。
ちなみにフヨウの古い和名も蓮に関係があるのです。
フヨウ(芙蓉)の名前の由来はハス(蓮)
撮影者:スミレ
街路樹の芙蓉(フヨウ)
「芙蓉の顔(ふようのかんばせ)」という言葉を聞いたことはありますか?
美しいものの比喩として使われていた古い言葉です。
ここでの芙蓉とはハス(蓮)のことね。
もともとは、フヨウ(芙蓉)の名はモクフヨウ(木芙蓉)と名づけられていました。
フヨウ(芙蓉)の木の花が、ハス(蓮)に似ているからという理由です。
平安時代はハス(蓮)を「芙蓉」。
フヨウ「芙蓉」の木は「木芙蓉」と分けて呼びました。
現在はハス(蓮)とフヨウ(芙蓉)。
シンプルな呼び名で定着しています。
ハスの花とは間違わないと思うけどなぁ。
咲いている場所も違うし。
フヨウはムクゲの方が激似だと思う。
「芙蓉」と「木芙蓉」。
花の部分に注目して呼ばれていたのよ。
フヨウ(芙蓉)の学名はHibiscus mutabilis。
英語でmutableとは変わりやすいという意味があります。
その特徴は園芸品種のスイフヨウ(酔芙蓉)にわかりやすく表れています。
スイフヨウ(酔芙蓉)の花の色は1日で移り変わりを見せます。
朝は白、昼はピンク、夕方には濃い紅色に変化していくのです。
スイフヨウ(酔芙蓉)はフヨウ(芙蓉)の中の1品種で、とても人気が高いです。
真夏の花のフヨウ(芙蓉)は秋になると「枯れ芙蓉」に変化します。
果実が鑑賞されるようになります。
愛され芙蓉ですね!
ムクゲ(木槿)とフヨウ(芙蓉)の比較まとめ
ムクゲ(木槿)とフヨウ(芙蓉)は暑さに強い植物です。
真夏の生垣でよく見かける、科名・属名まで同じ仲間のそっくりさんです。
この記事では、ムクゲ(木槿)とフヨウ(芙蓉)の違いと見分け方について、お花初心者さんにもわかりやすくお伝え致しました。
◆ムクゲ(木槿)フヨウ(芙蓉)の違い◆
- 開花期間:ムクゲは6~9月・フヨウは8~10月
- わかりやすい見分け方:雌しべと葉っぱの形・株の広がりで見る
- 植物トリビア:ムクゲ(木槿)の名前は原語読みから
フヨウ(芙蓉)の名前はハス(蓮)の別名が由来
★ ムクゲ(木槿)とフヨウ(芙蓉)の簡単な見分け方 | ||
花名 |
木槿 (誕生花:7/21,8/10,26,28) |
芙蓉 (誕生花:8/5,25,27) |
科名/属名 | アオイ科 / フヨウ属 | |
原産 | 中国 | |
学名 | Hibiscus syriacus | Hibiscus mutabilis |
英名 | rose of Sharon | Cotton rose |
和名 | 木蓮(キハチス) | 木芙蓉(モクフヨウ) |
花言葉 | 「信念」「尊敬」「新しい美」 | 「繊細な美」「しとやかな恋人」 |
開花時期 | 6~9月 | 8~10月 (沖縄では春と秋) |
花色 | 白・赤・ピンク・紫 | ピンク、白 |
特徴 | ・雌しべが真っ直ぐ ・葉が小さい ・株全体が上に伸びていく |
・雌しべが先別れしていて上カーブ ・葉っぱが花より大きい |
ムクゲ(木槿)とフヨウ(芙蓉)の雌しべと葉に注目しましょう。
簡単に見分けることができますよ。
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