春の公園のタンポポに喜んでいたら夏になってもまだ元気に咲いています。
よくよく見ると昔からあるタンポポと雰囲気がチョット違います。
身長高いなって感じなの。
夏に元気に咲いているお花は西洋タンポポ(セイヨウタンポポ)、もしくはタンポポモドキかもしれません。
外来種に押されて在来種が少なくなってきている草花があるという話を思い出します。
この記事では、在来種タンポポと外来種セイヨウタンポポの違いと見分け方、
タンポポによく似たタンポポモドキの花について、お花初心者さんにもわかりやすくご紹介致します。
◆タンポポと西洋タンポポ、タンポポモドキの違いと見分け方◆
- 西洋タンポポの特徴:花の外側(ガク)が反り返る
- 在来種のタンポポの特徴:上向きに咲く
- タンポポモドキの特徴:草丈が高く、ひとつの茎に複数の花が咲く
よく見かけるタンポポは西洋タンポポだった!
撮影者:スミレ
キク科/タンポポ属
西洋タンポポ
英名:ダンディライオン
普段、私たちが都会で見かけるのタンポポのほとんどは西洋タンポポです。
西洋タンポポは、明治時代にサラダ用や飼料として輸入されて野生化したもの。
英名の「ダンディライオン」
松任谷由美さんの歌のタイトルにも使われていますので、親しみがありますよね。
ダンディライオンとはタンポポの葉がギザギザなところから。
ライオンの歯を連想したのが由来だそうです。
ダンディライオンは西洋ではハーブの1種。
ヨーロッパにおけるタンポポは、花を愛でるよりも葉っぱを食べる野菜だったのです。
★ セイヨウタンポポ 3月13・23・29日 誕生花 | |
科名/属名 | キク科/タンポポ属 |
原産 | ヨーロッパ |
学名 | Taraxacum(タラクサカム) |
英名 | dandelion(ダンディライオン) |
花言葉 | 「神託」「真実の愛」「別離」 |
開花時期 | 3~9月 |
花色 | 黄色 |
特徴 | ・生育地は道端・草地・公園 ・花の外側が反り返る |
セイヨウタンポポは花の外側が反り返って咲いているのが特徴。
受粉しなくても種子を作れるので2~3週間で発芽します。
そのため開花期間が春先~初秋までと長いのです。
帰化植物の西洋タンポポは交配を繰り返して、生き延びていきました。
西洋タンポポの花言葉は「神託」「真実の愛」「別離」
タンポポの綿毛を吹き飛ばし、恋占いをしていたことからの花言葉です。
西洋タンポポの仲間にアカミタンポポがあります。
綿毛の下のタネが赤みを帯びているところから名前がつきました。
アカミタンポポも花びら外側が反り返って咲いているよ。
日本の蒲公英(タンポポ)|名前の由来と風流な別名
撮影者:スミレ
キク科 / タンポポ属
タンポポ
別名:堤草
日本に自生しているタンポポの開花は春。
タンポポの名前の由来は、空洞になっている茎の両端を裂くと鼓に似ているから。
鼓を打つ「タン・ポン・ポン」という音から、というのが通説です。
別名は鼓草。
タンポポを蒲公英(ほこうえい)と書くのは漢語から来ています。
蒲公英は漢方の元になる薬草だったのです。
(西洋でもタンポポはハーブでしたね。)
日本のタンポポは、花びらが上向きに咲くことがポイントです。
ここで西洋タンポポとの見分け方のコツを伝授しましょう。
花びらのすぐ下を注目してね。
花びらを支えている緑の総苞片(そうほうへん)を見ます。
これが反り返っているのが西洋タンポポ。
上向きなのが日本古来のサンポポです。
花びらだけで判断するよりわかりやすいです。
タンポポと言えば黄色のイメージが強いですよね。
日本のタンポポには白もありますよ。
★ 蒲公英(タンポポ)3月13・23・29日 誕生花 | |
科名/属名 | キク科 / タンポポ属 |
原産 | 中央アジア |
学名 | Taraxacum(タラクサカム) |
英名 | dandelion(ダンディライオン) |
別名 | 鼓草(つづみぐさ) |
花言葉 | 「神託」「真実の愛」「別離」 |
開花時期 | 3~5月 |
花色 | 黄色・白 |
特徴 | ・生育地は道端・草地・公園 ・花は上向きに咲く |
<ちょっと耳より情報>
在来種のタンポポの仲間は十数種あります。
・カントウタンポポ(関東~中部)
農村で見られるが数が減っている。
・カンサイタンポポ(長野県~沖縄)
直径2~3センチほどの小さめの花。
・シロバナタンポポ(関東~九州)
白い花のタンポポ。
セイヨウタンポポと同様に受粉しなくても種を作れる。
在来種のタンポポは西洋タンポポと混じり合って交雑種が増えました。
あまり差異がなくなっているのが現状です。
見た目で見分けるのは至難の業。
交雑種を完璧に見分けるのは植物学者に任せましょう。
日本古来のタンポポを見つけたいな♪
日本タンポポと西洋タンポポ|強いのはどっち?
撮影者:スミレ
都会の道端でよく見かける西洋タンポポ。
都会まで進出してきたのでしょうか?
一見、西洋タンポポの方が分布図が広く勢力が強そうに見えますよね。
実は、西洋タンポポは四季のある日本の環境には弱いのです。
意外でしょう?
日本タンポポは春にお花を咲かせて綿毛を飛ばします。
暑い夏は葉っぱも枯れて根だけお休み中。
元々自生していただけあって、日本の四季にピッタリな1年の過ごし方です。
西洋タンポポは1年中葉っぱがあるので、暑い夏場は他の植物に負けてしまうんですね。
そこでライバルの少ない都会に生息するようになったのが真相です。
西洋タンポポの分布が広がっているということは?
自然豊かな場所が減っているからかも・・・。
タンポポモドキ|花の名前の由来は豚にあり
もうひとつ、都会でよくみかける野草をご紹介しましょう。
皆さんも絶対見たことあると思いますよ。
「タンポポだ!」と近寄って行ったら似ているけど何か違う。
背の高いタンポポみたいな花。
撮影者:スミレ
キク科/エゾコウゾリナ属
ブタナ
別名:タンポポモドキ
その名もタンポポモドキです。
本名の豚菜(ブタナ)という名前は豚が好んで食べるところから付いたとか。
ブタナはタンポポより茎が長く伸びているのが特徴です。
草丈は50~60センチぐらい。
ひとつの茎にひとつの花のタンポポと違い枝分かれして咲いています。
いっぱい固まって咲いているので
なんだかタンポポらしくないと感じたのです。
何か妙だなと思うのが見分ける第一歩ね。
葉は全部根元に付いていて茎の途中にはありません。
茎のスッキリ感が目立ちます。
撮影者:スミレ
春のタンポポが終わった後の6~9月頃に咲いています。
タンポポと同じく、綿毛ができて風で飛ばされていきます。
ブタナの綿毛はタンポポのようにふわふわしていません。
もう少しもっさりした重い印象です。
★豚菜(ブタナ) 9月4日 誕生花 | ||
科名/属名 | キク科/エゾコウゾリナ(蝦夷髪剃菜)属 |
|
原産 | ヨーロッパ | |
学名 | Hypochaeris radicata | |
別名 | タンポポモドキ | |
開花時期 | 6~9月 | |
花色 | 黄色 | |
特徴 | ・生育地は道端・空き地・畑 ・茎が枝別れして複数の花が咲く ・草丈50~60センチ ・葉っぱは茎の途中になく地面近くにロゼッタ状 |
ブタナはタンポポよりも茎が細くて背も高いです。
遠くからあの黄色を見るとタンポポと思い、
近づくと背丈が高くてタンポポの可愛らしさとはちょっと違う感じ。
似ているけれどタンポポじゃないことはわかるタンポポモドキでした。
<ちょっと耳より情報>
ブタナは帰化植物です。
豚菜(ブタナ)の名前の由来は豚のサラダから。
食べることができる野草です。
英語
false dandelion(偽タンポポ)
フランス語
faux pissenlit(偽タンポポ)
Salade de porc(ブタが食べるサラダ)
タンポポと同じく食べる野菜だったのですね。
西洋タンポポ・タンポポ・タンポポモドキ(ブタナ)の見分け方まとめ
交配種も多いタンポポの仲間達です。
西洋タンポポ・在来種のタンポポ・タンポポモドキは3点で見分けることが可能です。
◆タンポポと西洋タンポポ、タンポポモドキの違いと見分け方◆
- 西洋タンポポの特徴:ガクが反り返る
- 在来種のタンポポの特徴:上向きに咲く
- タンポポモドキの特徴:草丈が高くひとつの茎に複数の花が咲く
★ 西洋タンポポ・タンポポ・タンポポモドキ(ブタナ)の見分け方 | |||
花名 | 西洋タンポポ (誕生花:3月13,23,29日) |
タンポポ (誕生花:3月13,23,29日) |
ブタナ (誕生花:9月4日) |
科名 / 属名 |
キク科 / タンポポ属 | キク科/ エゾコウゾリナ属 |
|
原産 | ヨーロッパ~中央アジア | ヨーロッパ | |
学名 | Taraxacum | Hypochaeris radicata | |
別名 | ダンディライオン | 鼓草(つづみぐさ) | タンポポモドキ |
鑑賞 時期 |
3~9月 | 3~5月 | 6~9月 |
特徴 | 花の外側が反り返って咲く | 花は上向きに咲く | 枝別れして咲く |
花 言葉 |
「真実の愛」「別離」 | 「最後の恋」 |
見分ける時は開花時期も参考にしてくださいね。
この記事では、蒲公英(タンポポ)と西洋蒲公英(セイヨウタンポポ)、タンポポモドキという別名がある豚菜(ブタナ)との見分け方について、お花初心者さんにもわかりやすくお伝え致しました。
他にも「〇〇モドキ」の名前がつくお花がありましたよね。
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