夏休みの自然観察の定番だった朝顔。
たいていの人は子どもの頃、朝顔を種から植えて育てた経験があると思います。
おぼろげながらも記憶に残っているものですよね。
街歩き散歩の途中で朝顔っぽいお花を見つけました。
全体の雰囲気から、朝顔に似ているけど昼顔だろうと見当を付けたんです。
帰ってから調べてみたらやっぱり昼顔。
植物観察には五感の成長の喜びがあるように感じます。
自力で解決できました!
お花への興味も深まってきたね
困ったらいつでも頼ってくれていいよ
朝顔と昼顔の違いを感覚だけではなくしっかり覚え直しました。
この記事では、お花初心者でも簡単に見分ける朝顔と昼顔のコツ、あわせて夕顔・夜顔の見分け方をわかりやすくお伝えしますね。
◆朝顔・昼顔・夕顔・夜顔の違いと見分け方◆
- 朝顔の特徴:朝咲きと葉の形
- 昼顔の特徴:漏斗型の小さなピンクの花
- 夕顔の特徴:縮れた形状の花びら・かんぴょうの花
- 夜顔の特徴:夜間咲きと白い花
朝顔の特徴|昼間に咲く朝顔もあり
撮影者:スミレ
ヒルガオ科/サツマイモ属 1年草
朝顔の特徴でわかりやすいのは咲いている時間帯です。
午前中咲いていてお昼を過ぎたらしぼみます。
王道の覚え方です
伝統的な朝顔についてはそれで合っています。
西洋アサガオと呼ばれるものは
昼間に咲いているのもあるよ
それは困った、わかりづらい・・・。
朝顔ならではの特徴はないのでしょうか?
葉の形です。
写真でも特徴的な形を見ることができますね。
朝顔の葉っぱの形は独特です。
朝顔は双葉が出てから本葉が出ます。
子どもの頃の朝顔の観察時間が蘇ってきませんか?
昔からある伝統的な朝顔は、西洋アサガオと区別して「日本朝顔」とも呼ばれています。
西洋アサガオの特徴
西洋アサガオ
伝統的な朝顔の特徴見分け方がわかったところで、衝撃的な事実が発覚しました。
朝顔も昼顔もヒルガオ科の植物であることは同じです。
しかし、西洋アサガオは日本古来の朝顔とは違い南アフリカ原産。
西洋アサガオは「朝顔」の名前がついていますが昼顔の特徴が強いです。
西洋アサガオは8月から秋の終わり頃まで楽しめる園芸品種です。
朝顔の特徴的な葉っぱではありません
一般的に西洋アサガオは気温が高い頃は赤紫の様な色をしています。
気温が下がってくると透明感のある空色になっていきます。
よく見かける西洋アサガオの品種に「ヘブンリーブルー」があります。
開花時期が長く、花が多いので夏場のグリーンカーテンとしても人気です。
- 開花時期:7~11月
- 開花時間:午前~午後過ぎ(短日植物)
- 花つきが良い
- 葉の形がハート形(伝統的な朝顔と異なる)
朝顔の種子は薬草だった
撮影者:スミレ
朝顔の原産地は亜熱帯アジア。
奈良時代に遣唐使によって中国からもたらされました。
元々は「牽牛子(ゲンゴシ)」という薬草として渡来したものです。
朝顔の種子は利尿剤に使われていました。
牛車いっぱいの宝物の価値があったのが、牽牛子(ゲンゴシ)名前の由来です。
牽牛子(ゲンゴシ)は花の方も人気となりました。
平安時代には既に庭に植えられていたようです。
「枕草子」「源氏物語」にも出てきます。
朝顔は旧暦の七夕の頃に咲き始めます。
牽牛花(ゲンギュウカ)の別名を持っています。
原種の朝顔の花は青色。
透明感のあるブルーです
江戸時代に朝顔ブームが起き、多彩な園芸種が生まれます。
突然変異で生まれた「変化朝顔」が人気を博しました。
今ではもう見られない
幻の品種もたくさんありました
明治時代に入ると朝顔の大型化が進んでいきます。
昼顔の特徴|漏斗型のピンクの花
撮影者:スミレ
ヒルガオ科/ヒルガオ属 多年草
ぱっと見は朝顔に似ていますけど全然違いますよね。
朝から午後いっぱい、陽のある時間帯に咲いています。
一番わかりやすいのは花色です。
昼顔って朝顔と違って花色がほぼピンクなんです。
まれに白色もありますが。
初めて昼顔を認識した時の印象です。
朝顔よりちょっと小ぶりで可愛い感じ
もう少し観察してみましょう。
よく見ると花びらに放射線状の白い筋が5本。
この5本の筋のことを「曜(よう)」と言います。
必ずある5本の筋は昼顔の特徴ですね。
朝顔は品種により筋がないものも
昼顔は万葉の時代に「容花」(かおばな)と呼ばれて人気がありました。
「容花」とは美しい顔という意味です。
秋の七草のアサガオの最有力説は桔梗説です。
でも、その他にムクゲ説やこの昼顔説もある位なんです。
昼顔が人気のお花だった証拠ですね
それが今では、園芸種の朝顔に押されて昼顔は雑草扱いになってしまいました。
昼顔が雑草扱いされている理由とは
昼顔はきちんとお手入れされている庭園にはあまりいません。
道端・公園・自然のままの草むらの中など。
ヒメジョオンなどと一緒に良くみかけますね。
撮影者:スミレ
昼顔は一日花
朝シャッターチャンスを逃したら
帰り道ではしおれていました
昼顔は1日しか咲かない一日花。
ひとつひとつのお花は儚いものです。
1日花なのは朝顔も同じね
秋になると何日か咲いているのもあるけど
ツルを伸ばしてたくましく伸びてきた昼顔。
夏の生命力を感じて好きなんです。
全体的な印象はたくましさです
多くのガーデナーに昼顔が雑草扱いされている理由をお教えしましょう。
昼顔は朝顔と違い、双葉の後、本葉より先にツルが伸びていきます。
他の植物に巻き付いて勢力を広げていくのが、昼顔の常道です。
朝顔は1年で終わり。
しかし、昼顔は冬の間は地面の下に地下茎で眠っています。
春に目覚めた昼顔はどんどん勢力を拡大していきます。
昼顔を花壇から取り除こうとする場合は、慎重に作業しなけばなりません。
少しでも切れた地下茎が残っていたら、復活再生していく昼顔なのです。
昼顔の勢力ってホントにスゴイから!
雑草魂ですね
街歩き、花さんぽで昼顔を愛でるだけの時には気づきませんでした。
ガーデニングをされている方にとって昼顔は悩みの種のお花のようです。
<ちょっと耳より情報>
昼顔は食べられる植物です。
はびこり度と同様に強いアクを持っています。
- 新芽の先を摘み取って塩ゆでしてお浸し
- 綺麗なピンクのお花でポン酢サラダ
お庭の雑草取りも楽しみがないとね。
次は夕顔と夜顔について。
迷ってしまうのは見た目の違いより名前の混同しやすさです。