初夏の通勤路で山吹色の植栽を見つけました。
それもあちらこちらの道路脇や公園で。
山吹色の可愛い綺麗なお花。
遠目には同じように見えて近づいたら様子が微妙に違うんです。
去年だったら同じお花と
思い込んでいたかかもしれません
違いに気づけるようになると
お花観察も面白くなってくるよ
この記事では、初夏の通勤路を彩る山吹色の花についてのお話しします。
キンシバイ(錦糸梅)の仲間とビヨウヤナギ(美容柳)の違いと見分け方を、お花初心者さんにもわかりやすくご紹介していきますね。
◆キンシバイ(錦糸梅)の仲間と見分け方◆
- キンシバイの人気園芸種:タイリンキンシバイ(ヒペリカム・ヒドコード)
- キンシバイ(錦糸梅)と西洋キンシバイ(錦糸梅)の違い
- 西洋キンシバイ(錦糸梅)とビヨウヤナギ(美容柳)の違い
キンシバイの人気園芸種:タイリンキンシバイ(大輪錦糸梅)
撮影者:スミレ
オトギリソウ科 / オトギリソウ属
タイリンキンシバイ(ヒペリカム・ヒドコード)
最初見た時には
キンシバイ(錦糸梅)と思ったけれど。
キンシバイ(錦糸梅)とタイリンキンシバイ(ヒペリカム・ヒドコード)。
同じオトギリソウ科 / オトギリソウ属です。
大きなくくりでは一緒と言ってしまってもいいかもしれませんが、微妙に違うのが気になりました。
撮影者:スミレ
オトギリソウ科 / オトギリソウ属
キンシバイ
キンシバイ(錦糸梅)の方が小さくて
梅らしさが見えるかも
そうか!
だから大輪錦糸梅なんですね
キンシバイ(錦糸梅)は中国原産の低木です。
日本に入って来たのは江戸時代の昔。
長い間生垣などで使われてきました。
大輪キンシバイ(錦糸梅)はキンシバイ(錦糸梅)の園芸品種。
最近では大輪キンシバイ(錦糸梅)の植栽が増えてきています。
それで通勤路のあちらこちらで見掛けたのですね。
大輪キンシバイ(錦糸梅)は
華やかで開花時期も長いからね~
● どちらもオトギリソウ科 / オトギリソウ属
● 大輪キンシバイ(錦糸梅)はキンシバイ(錦糸梅)の園芸品種
● 大きくはキンシバイ(錦糸梅)とまとめられることも
大輪キンシバイ(錦糸梅)と西洋キンシバイ(錦糸梅)の違いとは?
通勤路で見つけた山吹色の低木は、大輪キンシバイ(錦糸梅)だったと分かりました。
次の疑問があるんです。
いつもと違う道を通った時のこと。
大輪キンシバイ(錦糸梅)とそっくりの山吹色の植栽を見つけたのです。
撮影者:スミレ
オトギリソウ科 / オトギリソウ属
セイヨウキンシバイ(ヒペリカム・カリキナム)
山吹色の花の色、綺麗に並んだ葉っぱの形、こんもり丸い植栽。
遠目には本当にそっくりです。
近づくと花から受ける印象が全く違いました。
大輪キンシバイ(錦糸梅)は全体的に丸味のあるお花。
新しく見つけた花は、花びらの1枚1枚が離れていてもう少し細身なイメージ。
大きな特徴としては雄しべと雌しべがかなり存在感があること。
横から見ると違いが分かりやすいです
西洋キンシバイ(錦糸梅)でした。
UPで見てみましょう。
大輪キンシバイ(錦糸梅) | 西洋キンシバイ(錦糸梅) |
● 大輪キンシバイ(錦糸梅)は花が丸型
西洋キンシバイ(錦糸梅)は花びらが切れていて細身
● 大輪キンシバイ(錦糸梅)は雄しべが真ん中に直立
西洋キンシバイ(錦糸梅)は雄しべが離れ広がり華やか
西洋キンシバイ(錦糸梅)とビヨウヤナギ(美容柳)の見分け方
撮影者:スミレ
オトギリソウ科 / オトギリソウ属
西洋キンシバイ(錦糸梅)ヒペリカム・カリキナム
西洋キンシバイ(錦糸梅)を見つけた時、最初はビヨウヤナギ(美容柳)かと迷いました。
雄しべが華やかに広がっている感じ
西洋キンシバイ(錦糸梅)は、キンシバイ(錦糸梅)よりビヨウヤナギ(美容柳)の特徴に近いです。
(「鏡花水月★花つむぎ」管理人スミレの個人的感想)
西洋キンシバイ(錦糸梅) | ビヨウヤナギ(美容柳) |
大きな特徴は一緒だけど
同じお花とは思いません
その目立ち具合が違っていたのです。
西洋キンシバイ(錦糸梅)は花びらの上に雄しべが離れて立っていますよね。
ビヨウヤナギ(美容柳)の方は花びらというより雄しべが目立っています。
雄しべは真っ直ぐではなくカールしていて、花びらから独立しているぐらいに見えました。
美容柳は妖艶な感じかなぁ
ビヨウヤナギ(美容柳)の名前の由来は葉っぱが柳に似ていること。
雄しべの長さを「未央宮(びおうきゅう)の柳」に見立てたものです。
「未央宮(びおうきゅう)の柳」とは、玄宗皇帝に愛された楊貴妃の眉にたとえています。
詩人の白居易(白楽天)の言葉です。
体液(たいえき)の芙蓉(ふよう)未央(びおう)の柳
芙蓉は面(おもて)の如く柳は眉の如し白居易「長恨歌」より
*「体液」は宮中の池の名前
*「未央」は宮殿の名前 楽しみが尽きないという意味
*「芙蓉」は蓮のこと
未央宮(びおうきゅう)がなまってビヨウキュウと呼び
ビヨウキュウ⇒ビヨウヤナギ(美容柳)の漢字が使われるように
西洋キンシバイ(錦糸梅)は帰化植物。
丈夫で繁殖力も旺盛です。
これからの通勤路の風景はどうなるのでしょうか?
大輪キンシバイ(錦糸梅)と西洋キンシバイ(錦糸梅)が主流になってくるのかもしれませんね。
錦糸梅・大輪錦糸梅・西洋錦糸梅・美容柳の違いと見分け方
初夏の通勤路で見た山吹色の4種類の植栽は、オトギリソウ科 / オトギリソウ属の仲間でした。
それぞれに特徴があります。
じっくり観察したら
初心者でも見分けられます♪
◆キンシバイ(錦糸梅)の仲間と見分け方◆
- キンシバイの人気園芸種:タイリンキンシバイ(ヒペリカム・ヒドコード)
- キンシバイ(錦糸梅)と西洋キンシバイ(錦糸梅):花びらの丸みと細さで見分ける
- 西洋キンシバイ(錦糸梅)とビヨウヤナギ(美容柳):花びらのカールと雄しべの形で見分ける
この記事では、街路樹のキンシバイ(錦糸梅)の仲間について、お花初心者さんにもわかりやすくご紹介いたしました。
★ 錦糸梅・大輪錦糸梅・西洋錦糸梅・美容柳の違いと見分け方 |
||||
花名 | 錦糸梅 (誕生花:6/16,27) |
大輪錦糸梅 (誕生花:6/16,27) |
西洋錦糸梅 (誕生花:8/27) |
美容柳(誕生花: 6/23,26,30) |
科名/属名 | オトギリソウ科 / オトギリソウ属 | |||
別名 | ヒペリカム | ヒペリカム ・ヒドコード |
ヒペリカム ・カリキナム |
ヒペリカム 美女柳(ビジョヤナギ) 金糸桃(キンシトウ) |
原産 | 中国 | ヨーロッパ アジア |
中国 | |
開花時期 | 6~7月 | 5月~7月 | 6~7月 | 6~7月 |
特徴 | ・梅の花に似た形 ・小さな花 |
・錦糸梅の園芸種 ・一回り大きい花 ・開花時期長い |
・雄しべが離れて立つ ・錦糸梅より美容柳に 似る |
・目立つ雄しべ カールして広がる |
初夏の道端で見かけるお花、似ているお花は他にも色々ありますよね。
<あわせて読みたい♪>
あやめ・花しょうぶ・かきつばた・アイリス簡単にを見分ける2つのポイント
ボタン(牡丹)とシャクヤク(芍薬)の葉っぱの違いと簡単な見分け方
ハナミズキ(花水木)とヤマボウシ(山法師)|違いとシンボルツリーの選び方
「鏡花水月★花つむぎ」では、身近なお花の見分け方・初心者向きガーデニング・花さんぽの穴場スポットなどをご紹介しています。
またお立ち寄りくださると嬉しいです。