あやめ、花しょうぶ、かきつばた、アイリスを簡単に見分ける2つのポイント

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ダッチアイリス 似ている花の見分け方

「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」
この慣用句の意味は優れたもの同士をたとえる表現です。

もともとの意味は「どちらの美女も比べられないほど美しい」
と言われたことからきています。

たとえられたようにアヤメカキツバタはよく似ていますね。

初夏~梅雨時に咲く青紫系のお花で、葉が細くスッキリ立っている。

間違えやすいお花の代表ではないでしょうか。

スミレちゃん
スミレちゃん

あやめは花しょうぶ園にいるイメージですけど?

モモ先輩
モモ先輩

そのイメージは間違っているかもしれないわ

スミレちゃん
スミレちゃん

お手上げです
交通整理をお願いします

この記事では、初夏~秋まで咲いていてあやめに似ている花を、お花初心者さんにもわかりやすく解説していきますね。

登場するのは、あやめ花しょうぶかきつばたアイリスおまけに菖蒲湯のショウブです。

見分け方のポイントは大きくふたつです。

しっかり覚えて今年こそ「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」の悩みを解消しましょう。

あやめ、花しょうぶ、かきつばた、アイリスの違い

  • あやめ:花びらに文目(あやめ)模様・乾地に生育
  • 花しょうぶ:黄色の線・菖蒲(ショウブ)とは別の植物・乾地も湿地も
  • かきつばた(杜若):白の線・湿地に生育
  • ダッチアイリス:黄色の幅広な斑・乾地に生育
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アヤメ(菖蒲)の特徴|名前の由来と生育場所


撮影者:スミレ
アヤメ科/アヤメ属
アヤメ 多年草

最初に種明かししておきますね。

アヤメ・花しょうぶ・カキツバタ・アイリス。
この4つはすべて同じアヤメ科/アヤメ属の植物です。

アヤメの名前の由来は諸説あります。
ここではアヤメの見分け方に繋がる由来をご紹介しますね。

アヤメの名前の由来

● 花びらに網目状の模様があるから
● 剣のように細い葉っぱの茂る様子を文目模様にたとえて

これは重要な手がかりですね。

スミレちゃん
スミレちゃん

アヤメとかショウブは
湿地にいる印象です

意外でした。

菖蒲園にはアヤメはいないのです!

モモ先輩
モモ先輩

アヤメは乾いた土地にいるのよ

アヤメの花が葉っぱの上に出て咲くのでスッキリした姿をしています。

アヤメの特徴

● 開花時期は5月中旬~中旬
● 花は小ぶりで直径8センチほど
● 花の付け根に網目模様
● 濃い緑の葉
● 乾地のみ生息

アヤメは花びらに網目状の模様があり、乾いた土地に住んでいるのが特徴です。

<ちょっと耳より情報>

「万葉集」「源氏物語」に出てくる「アヤメ」「アヤメグサ」「ショウブ」について。

今のアヤメとは別植物のショウブ科ショウブ属ショウブを指しています。

モモ先輩
モモ先輩

端午の節句の菖蒲湯のショウブのこと

現代のアヤメ科アヤメ属(アイリス)ではなかったのです!

スミレちゃん
スミレちゃん

「アヤメ」「ショウブ」の名前は

古代で別植物を意味するのですね!

万葉の頃のアヤメの花は、現代のアヤメとは似ても似つかぬ形です。
歌に詠まれたのは薬効のある細い葉のことばかりでした。

万葉の頃のアヤメ(現代のショウブ)の花穂はガマによく似ていますよ。

ショウブ
撮影者:スミレ
ショウブ科/ショウブ属
ショウブ 多年草

漢字で書いておさらいしておきましょう。

アヤメとショウブ

● 菖蒲(アヤメ)訓読み アヤメ科/アヤメ属

● 菖蒲(ショウブ)音読み ショウブ科/ショウブ属

ギリシャ神話のアヤメ伝説

◆アヤメ(アイリス)の伝説◆

アヤメ
撮影者:スミレ

ギリシャ神話のゼウス王には求愛話がたくさんあります。
王者は「好きもの」なのかもしれませんね。

ゼウス王の求愛に困った侍女のイリス。

ゼウスの妻のヘラは、神のお酒を振りかけてイリスを虹の女神としました。
その時のお酒がアヤメとなったという神話があります。

花しょうぶの特徴|大きなお花で花色豊富

次に登場するのは花しょうぶです。

花しょうぶ
撮影者:スミレ
アヤメ科/アヤメ属
ハナショウブ(花しょうぶ)
多年草

花びらの付け根に縦に1本黄色い筋が入っているのがポイントです。

花しょうぶは乾いた土地にも湿地にも住んでいます。

一番の特徴は花が大きい(約15センチぐらい)ことですね。

その割に葉っぱが細いです。

スミレちゃん
スミレちゃん

ちょっとバランス悪いのが特徴?

花しょうぶの原種は赤紫色をした野花菖蒲
野花菖蒲の花を品種改良したものが花しょうぶです。

花色は紫・濃紫・白・絞り・ピンクなど。

花しょうぶは日本の園芸品種として世界的にも有名ですね。

花しょうぶの特徴

● 開花時期は5月下旬~6月
● 花は大きく直径15センチほど
● 花の付け根に黄色の太い線が入る
● 細い葉
● 乾地・湿地ともに生息

花しょうぶは大きな花で黄色の太い筋が入るのが特徴です。

<ちょっと耳より情報>

花の姿が似ているだけではありません。

呼び名からも間違えやすいのがアヤメと花しょうぶです。

花しょうぶの別名は「ハナアヤメ(花菖蒲)」
この別名も、アヤメの花と間違えやすい理由のひとつですね。

さらに、アヤメと花しょうぶは文字でも間違いやすいのです。

漢字で書いてみましょう。

● 花菖蒲(ハナショウブ)

● 菖蒲(アヤメ)

スミレちゃん
スミレちゃん

混同しても無理がないぐらい

色々重なっていますね

花しょうぶ|菖蒲湯のショウブとも混同しやすい

花しょうぶ
撮影者:スミレ
アヤメ科/アヤメ属
ハナショウブ(花しょうぶ)

花しょうぶが間違えられるのはアヤメだけではありません。
菖蒲(ショウブという全く別の植物にも間違えられます。

間違えられやすい理由がいくつもある花しょうぶなのです。

モモ先輩
モモ先輩

花しょうぶは菖蒲湯のショウブとも

よく間違えられます

スミレちゃん
スミレちゃん

花菖蒲(ハナショウブ)菖蒲(ショウブ)
菖蒲の花のことかと思ってしまいそう

「鏡花水月★花つむぎ」管理人スミレの結論です!

3種類のお花の表記方法を考えました。

あやめ・花しょうぶ・菖蒲 表記が間違えにくいと思います。

いかがでしょうか?

<ちょっと耳より情報:キショウブ>

キショウブ
撮影者:スミレ
アヤメ科/アヤメ属
キショウブ(黄菖蒲)

黄菖蒲もアヤメの仲間です。

これは色が違うので迷いませんね。

カキツバタ(杜若)の特徴|完全湿地に住んでいる


撮影者:スミレ
アヤメ科/アヤメ属

カキツバタ(杜若) 多年草

浅い池や沼にも生育しているのがカキツバタ(杜若)です。

スミレちゃん
スミレちゃん

菖蒲園のイメージはカキツバタだったのかも!

モモ先輩
モモ先輩

カキツバタは水生植物

カキツバタのポイントは花びらが細いこと。
花びらの真ん中に白い筋が入ります。

お花の大きさは中ぐらい(約12センチ)ですね。

花色はそんなにありません。

スミレちゃん
スミレちゃん

全体的にほっそりしています
野性味を感じますね

カキツバタ(杜若)の特徴

● 開花時期は5月中旬~5月下旬
● 花の大きさは直径約12センチほど
● 花の付け根に白色の斑が入る
● 細い葉
● 湿地・沼地に生息

カキツバタ(杜若)の一番のポイントは水生植物です。

<ちょっと耳より情報>

カキツバタ(杜若)の漢字と読み方は現代人にはあまり馴染みがありません。
どんな意味があるのでしょうか。

実はカキツバタ(杜若)の名前の由来は「書きつけ花」

このヒントで推理できますか?

モモ先輩
モモ先輩

昔は着物を染めるのに使っていたから

また、カキツバタは漢字で「燕子花」とも書きます。

「燕子花」の漢字で思い出すのは「燕子花図屏風」です。
かの有名な尾形光琳先生作の国宝ですね。

改めて見てみると・・・。

カキツバタの特徴としてはあまりわからないかも?

スミレちゃん
スミレちゃん

素晴らしい国宝なので
一度は見てほしいです

源頼政とカキツバタの伝説

「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」の慣用句には由来があります。
もとのお話は「太平記」の中に出てきます。
簡単にご紹介しますね。

◆いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)の伝説◆

平安時代末期のお話です。
源頼政は後鳥羽院に仕える「菖蒲(あやめ)の前」に恋心を抱いていました。

後鳥羽院は鵺(ぬえ)退治に成功した源の頼政に
「この中から『菖蒲(あやめ)の前』を見つけることができたら妻として娶らせる」
と着飾らせた美女を並べました。

困ってしまった源頼政。

「五月雨に 沢辺のまこも 水越えて
いずれ菖蒲(あやめ)と ひきぞわづらう」

と詠います。

その心は、五月雨で水かさが増えたので、マコモとあやめの区別がつかなくなった、
いずれも美女ぞろいなのでわからなくなった、という意味ですね。

鳥羽院はその歌に感心し、頼政は無事「菖蒲(あやめ)の前」を娶ることができました。

めでたしめでたし。

「太平記 巻21」より

スミレちゃん
スミレちゃん

源頼政さんの機転がスゴイ!

モモ先輩
モモ先輩

歌自体は後生の創作らしいよ

この歌が源頼政の歌であるという証拠はないそうです。

伝説のロマンはロマンのまま置いておきましょうか。

ダッチアイリスの特徴|大きな黄色の斑点


撮影者:スミレ
アヤメ科/アヤメ属
ダッチアイリス 多年草

あやめの学名はIris sanguineaです。

スミレちゃん
スミレちゃん

つまりアイリスってこと?

モモ先輩
モモ先輩

アイリスは種類が多いの

日本原産のアヤメはそのひとつね

アイリスは華やかなヨーロッパ原産の花です。
仲間の種類は多いです。

日本でよく見られるふたつの品種をご紹介しましょう。

● オランダ出身のダッチアイリス

● ドイツ出身のジャーマンアイリス

ダッチアイリス


撮影者:スミレ
アヤメ科/アヤメ属
ダッチアイリス
和名:オランダアヤメ

ダッチアイリスでよく見かけるのがブルーダイヤモンド
青紫の品種です。

スミレちゃん
スミレちゃん

品種名も素敵

遠目に見ると紫系なのでアヤメにそっくりですね。
ダッチアイリスはアヤメと同様、乾地に生息しています。

アヤメ、花しょうぶ、カキツバタ(杜若)は、まさに「和の花」という印象でした。

アイリスはヨーロッパ原産。

ダッチアイリスとジャーマンアイリス。
名前の通りヨーロピアンな雰囲気が特徴の華やかなお花ですね。

アヤメと迷うのはダッチアイリスの方です。

ダッチアイリスの特徴は、真ん中に幅広の黄色の斑があること。


撮影者:スミレ
アヤメ科/アヤメ属
ダッチアイリス

スミレちゃん
スミレちゃん

これは見分けやすいです!

ジャーマンアイリス(レインボーフラワー)


撮影者:スミレ
アヤメ科/アヤメ属
ジャーマンアイリス
和名:ドイツアヤメ 

ジャーマンアイリスもアヤメと同じ乾地に住んでいます。

レインボーフラワー(虹の花)の別名を持つジャーマンアイリス。

ジャーマンアイリスの花色は青紫系だけではありません。
ピンクオレンジ黄色など色とりどり。

ジャーマンアイリスはいかにも洋風なお花です。
花の形もフリルが華やか。

和のアヤメやカキツバタ、花しょうぶとは明らかに印象が違います。

ジャーマンアイリスはアヤメと見間違うことはありません。

ジャーマンアイリス
撮影者:スミレ
ジャーマンアイリス

スミレちゃん
スミレちゃん

花びらのフリルはドレスが舞っているみたい

草丈の高い品種はかなりインパクトありますよ。

ダッチアイリスより若干幅広な葉です。

モモ先輩
モモ先輩

ジャーマンアイリスは
ダッチアイリスより洋風全開!

ジャーマンアイリスに黄色の斑はなく、真ん中の花びらが直立しているのが特徴です。

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